case.8-夢にて ページ2
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警視庁の警察学校
過去一厳しいと噂の鬼塚教場に当てられた私は、常に真面目に訓練に当たってきたと思う
なんでも数年前の鬼塚教場に問題児がいたらしく、年々規則が厳しくなってきているのだ
その問題児達のせいで私は随分と厳しく叱られたので是非とも顔を拝みたい
、
小学校、中学校共に私は苦労を知らない子供だった
やればなんでも出来てしまう質で勉強せずとも成績はトップクラス、同じく努力しなくても部活ではレギュラーメンバー
人からの信頼もわりとあり、生徒会では副会長を務めた
それが崩れたのは高校生の時
頑張ることを知らない私は、勉強でも運動でも周りに置いていかれどんどん自信を無くす始末
みんなのリーダーで憧れで、かっこよかったはずの自分が落ちこぼれていくのが恥ずかく思えた
そんな時、テレビで見た刑事ドラマがあまりにもキラキラとかっこよくて私も警察になろうと心に決める
とにかく、私もかっこいい存在になりたかった
、
、
警察学校では女子生徒首席、全体3位の好成績を収め『よし!このまま行けば憧れの刑事になれるぞ!』とタカをくくっていた
そんな私だが、8月の終わりに教官に呼び出された
「え?優等生ちゃん何かやらかした?」
「鬼塚教官怖いぞぉ?」
なんてからかわれたのを未だに覚えているけど、呼ばれた部屋にいたのは鬼塚教官だけでなかった
ちょっと怖めのおじさんとイケメンが3人で楽しそうに喋っていたのだ
、
その見慣れぬ光景に、怒られるとビクビクしていた私は拍子抜けし立ち止まった
「何してるんだ、入りなさい」
『あ、はいっ』
「座れ」
『し……失礼します』
イケメンと向かい合う形で鬼塚教官の隣の席に座った私に、対面する2人の視線は集まっている
「こちらがうちの教場の成瀬です。女子生徒ながら全体では3位の成績を収めてまして……射撃もそこの降谷に並ぶほどです」
「この子が……初めまして、警察庁の者です」
「初めまして、降谷です。」
『えと……初めまして、ご紹介に預かりました成瀬Aです』
意味不明な自己紹介に混乱するも、次の一言で全てがひっくり返ることになった
「警察庁警備局警備企画課に君をスカウトしたい。スカウトを受ける気はあるかい?」
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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時