いえ、パンダです2【降谷零】 (ページ1)

今日:48 hit、昨日:69 hit、合計:67,185 hit

case.7-警察庁にてページ1

side:風見裕也

俺は今、人生最大の混乱に陥っている

『あ、風見さん報告書ありがとうございますー！これ問題なさそうなのでこのまま上に提出しておきます』

「…ありがとうございます」

「おっ、風見さんお疲れ様です。A昨日言ってた資料ってどこ？」

『っあ！ヒロ先輩おかえりなさい！そこの右の方の…それですその資料です！』

それは間違いなく目の前を行ったり来たりするこの若い女性

…そう、俺の上司のせいだ

『…その欄の右下に誤字が…そこだけです！後はOKなので…』

成瀬Aは優秀な人材だ

のほほんとした口調に似合わず、話す内容はハッキリくっきりしている

でも俺が混乱してるのはそこじゃない

『もう5時かぁ…ヒロ先輩コーヒー飲みます？』

「飲む…ああいいよオレが…」

『私がやりますよ、今暇だし。風見さんも飲みますー？』

「あっ…私は今さっき飲みましたので、」

『はーい、零さんは？？』

「あぁ、淹れてくれ」

そーーーう！

これだ！

これが混乱の正体だ！！！

俺の記憶によると少し前まで成瀬さんは降谷さんのことを『降谷さん』と呼んでいたはずだ

それがどうしたんだ今日は

『ヒロ先輩も零さんもブラックですよね？』

『零さん』と呼んでいるぞ？？？？

下の名前で呼んでいるぞ？？？？

かねてより降谷さんの方に彼女へのご好意があることは勘づいていた

でも進展にしては進歩しすぎでは無いか？？

名前呼びって結構高いハードルあると思うぞ？？？

同じ部屋にいてそのやり取りを聞いているヒロ先輩こと諸伏も、成瀬さんが降谷さんを零さんと呼ぶ度にぴくりと反応する

それを見るに、諸伏も良く現状を理解していないのだろう

一体何があったのか気になるところだが、本人たちに直接聞く訳にもいなないので心の内に閉じ込める

『ヒロ先輩どーぞ、…零さんもここに置いときます』

「ああ、助かる」

…零さん

気にしないようにしているが、聞けば聞くほど違和感が激しい

無視しろと言う方が難しいだろこれは

聞きたい聞けない聞きたい聞けないと頭がグルグル思考を始めた

ただ、本人たちに聞く勇気は俺にない