合理 ページ40
「俺はな、心配だったんだ」
そう、先生はひとつずつ語る
頭を撫でていた手はいつの間にか私の手を包み、確かめるように握った
「お前が教え子だって言うだけじゃない。白雲の妹だからって言うだけじゃない。個人として俺はお前が心配だった」
『何が言いたいんですか』
手も振りほどけず、されるがままに握られている
心臓の音が聞こえないように
そう願うばかりだった
「つくづくお前は合理的じゃないよ」
察せとでも言わんばかりに呆れた顔をして先生は再度私の方を見た
目を逸らそうと顔を動かすと、手を握っている方と逆の手で頭を固定されてしまう
「逸らすな」
『でも...』
恥ずかしくて、顔が染る
こんなとこ見られたくない
「...俺はきっと、お前が好きなんだと思う。もちろん、立場は弁えてるし許されないのも知ってる」
『...』
「でもな、お前が霧に突っ込んだって聞いた時、気が気じゃなかったんだ。俺はもうこんな身体だから前線に簡単に出れないが、それを改めて悔しく思った。お前に...いなくなって欲しくないんだ」
そう言って相澤先生は私を抱きしめ、強く力を入れた
小汚いように見える割には、いい匂いがする
「迷惑だったらすまん。もう二度と、こんなマネしないって約束してくれ」
低く鋭い声が私に刺さる
くっついた身体からどちらのか分からない心臓の音が聞こえて余計に恥ずかしい
『迷惑じゃ...ないです。私...先生が...好きです。』
「ああ」
『約束します...。私は、誰にも心配かけないようなヒーローになる』
「ああ、約束だ」
ゆっくりとだが先生の背中に手を回す
先生は私の存在を確かめるかのようにまた強く力を入れた
『ちょ、いつまでやってるんですか！恥ずかしくて死にますって！！てか痛い』
我慢できなくなった私がムードをぶち壊すようにそう声を上げると相澤先生は更に力を入れる
『痛い痛い痛い痛い痛い痛い！痛いから！』
「やだね、離さない」
『頭イカレてんのか！誰か来たらどうすんだよ！』
「立ち入り禁止だから大丈夫だ」
『馬鹿なの？！ここ学校！公共施設だからね？！』
「学校じゃなきゃいいのか？」
『違ぇよそういう問題じゃねえだろ！お前先生だろが！』
「まあな、バレなきゃいいんだよ」
この日から、私と先生の距離は近づき、誰にも言えないような関係が始まった
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cherry*(プロフ) - 夏美さん» （ ´∀｀）つ□ 涙拭けよ… (2022年2月28日 2時) (
レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
夏美 - 泣きそう (2022年2月28日 1時) (レス) @page44 id: 42847795b4 (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - あっぷるさん» ありがとうございます😭そう言って貰えて嬉しいです(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ❤︎ (2022年2月22日 2時) (レス) id: 1bcf7600ec (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく面白かったし、めちゃめちゃ泣きました笑応援してます! (2022年2月22日 0時) (レス) @page43 id: 862121f9b4 (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - たかなしさん» 読んでいただきありがとうございました！嬉しいです♡ (2022年2月15日 2時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherry* | 作成日時：2021年12月8日 23時
