なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ5)

今日:59 hit、昨日:24 hit、合計:6,056 hit

＊ページ5

『助けに来てくれてありがとう。でも、その人のことは殴らんとってや』

高橋「結城を酷い目に遭わせたのに、こいつのこと許すんか!?」

恭平の怒りも分かる。うちもホンマは殴ってほしい。今すぐ視界から消えてほしい……けど。
ー－－その役割を、メンバーにやらせるわけにはいかん。
うちも含め、この業界にいる限り相手に手を出すなんて行為は御法度やから。
小さく息を吐いてから、「うちは、みんなのことが大事なんよ」と口を開いた。

『どんな理由であれ、芸能人(うちら)が人を殴ったら炎上は免れへん。
　下手したら、退所騒動にまで発展するかもしれん。
　そんなことになったら、”なにわ男子”やなくなってまうやろ。
　なにわ男子は誰一人欠けることなく、8人で突き進むって決めたから。みんなの手を汚させたない』

せっかくデビュー出来て、軌道に乗ってるのに。ここで潰されるなんて絶対に嫌や。
強くそう訴えると、恭平は涙声で「分かった」と言ってくれた。
その対応にホッと息をつくと、”ピーポーピーポー”とパトカーが来た音が聞こえた。
男性はスタッフさんと警察の方によって抑えられ、そのまま連行された。

メンバーだけになった後、
うちは体の力が抜けてその場に座り込む＿＿＿前に真隣にいた丈くんと大吾くんが支えてくれた。
ここにはあの男性もいないし、大事にしてくれるみんながいる。
そう自覚した瞬間、うちは完全に安心しきってしまった。

『ご、ごめん。体に力が入らんくて』

西畑「謝らんといて。それぐらいのことされたんやから、そうなって当たり前やろ」

うちの背中をトントン優しく叩いてくれる大吾くんに「せやな」と賛同しようとしたとき、
みっちーがかなりの勢いで抱き着いてきた。
思わず「グヘッ!!」と声を洩らすと、”ごめん”と謝罪する声が聞こえた。

道枝「あの時、無理矢理にでもついて行けばこんなことにはならんかった。……ホンマにごめん」

泣きながら謝ってくるみっちーに、うちの心が大きく揺さぶられた。その後、全員で泣き合った。
撮影は日にちをズラして行うことになり、うちらはそれぞれ帰宅やら仕事やらに向かった。
うちは、帰宅チームのみちきょへと夕日に照らされながら家路を歩いた。

怖いという感情も安心した気持ちも全て吐き出したことで、うちらはより一層絆を深めた。
……なにわ男子のみんながいてくれんかったら、今のうちはいないかったんやろなぁ。