なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ39)

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少し前に一緒にご飯食べに行ったときに話した、会話の一部。
あん時は”へぇ～”ぐらいの気持ちで聞いとったけど、今なら分かる。
ー－－俺、結城のことが好きなんや。

そう自覚した瞬間、俺の頭の何で色んな顔をする結城が出てきた。
泣いてる顔、誰かのために怒ってる顔、喜んでる顔。全てが愛おしくて、大事にしたいと想えた。
でも、俺が一番見たいのは＿＿＿。

”紫耀くーん!うち、デビューすることが決定したんやで!”

嬉しそうに笑う、あの顔だ。結城が見せてくれるどの表情よりも一番好きな顔。
俺は怖くて、悔しくて涙が止まらんくなった。もし、もう二度と結城に会えなくなったら。
そんなことを考えても意味がない。分かってるはずやのに、俺は怖くてたまらんかった。

いつの間に寝てたんか、気が付いたら次の日の12時に差し掛かっていた。……ヤベッ、仕事!
焦ってベッドから下りたところで、俺はマネージャーから言われたことを思い出した。
あ、そういや、今日一日お休み貰ったんやったわ。

俺の精神が不安になってるのを気遣って、わざわざ休みを取ってくれた。
ホンマ、後で感謝の連絡せんとな。俺は深く息を吐きながらキッチンに向かった。
冷蔵庫からバナナとヨーグルトを取り出して、口に放り込んだ。

昨日の夜は何も食べれんかったから、ちょっとお腹空いとったんよな。
朝食兼昼食を取ってしばらく頭を冷やした後、俺は病院に行く準備をした。
必要最低限の荷物と変装グッズを持って、俺は家を出た。

大吾から教えてもらった病院に行って受付を済ませてから、結城のいる病室に向かった。
久しぶりに見た結城は思ったより元気そうやったけど、所々怪我をしてるんが痛々しかった。
俺は結城に会えた衝動と嬉しさで思わず告白をしようとしたけど、
タイミングが悪いときに現れた大吾たちによって止められてしもうた。

いや、たまたまやろうしみっちーたちは悪ないって分かってるんやけど、タイミングがな。
大吾と結城と三人だけになったときも、告白するチャンスは訪れんかった。そりゃそうか。
面会時間が終わり、大吾と二人で路地を歩いていたとき。

”結城のこと、好きなん?”

突然ぶつけられた質問に驚いたけど、俺は素直に「うん」と肯定した。
大吾は友達やし、何となく伝えておきたいなって思った。
＿＿＿俺の返事を聞いた大吾は、泣き笑いみたいな顔で「そっか」と返した。