なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ37)

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想いページ37

西畑大吾side

結城が事故に遭って一日近く経とうとしていたとき。俺は恭平と一緒に病院に向かっていた。
恭平の前では「結城、思ったより元気そうで良かったな」と気丈に振る舞っていたけど、
ホンマは心臓バッグバグやった。

一人で不安なってるんとちゃうかな。
LINEでは明るい返しがくるけど、心の中は泣いてるやないかなとか。
ネガティブ＋心配モードに陥っていた。
結城の部屋の前に着くと、扉の隙間から先客が来てはるのが見えた。

あれは……紫耀?
しばらくは二人きりにさせた方がええんちゃうかなと思って、
俺は入ろうとするみっちーたちを止めた。結城も、今は好きな人と一緒の方がええやろ。

そう考えて見守ろうとしたけど、紫耀の様子がいつもと違うことに気が付いた。
え、まさかあいつ、告ろうとしてるんやないだろうな。
すると、みちきょへが”結城のことが＿＿＿”と良い所でガラッと扉を開けた。

中断された告白に、俺はホッとしたような残念な気持ちを抱いたような複雑な感情になった。
紫耀から愛を伝えられれば、結城はほぼ確実にOKすると思う。
嬉しいことのはずやのに、その未来を想像しただけでモヤモヤしてもうた。

兄離れさてるような気がして寂しいんかなぁと思いながら、彼女に抱き着いた。
お医者さんから聞いていた通り身体的損傷が少ないことに安堵していると、
結城が謙社に意識を向けてることが伝わってきた。

謙社の不安を解消してもらった後は、俺と紫耀で結城の心に寄り添った。
同期組の前では明るいフリしとったけど、そういうの俺らは感じちゃうからな。
せめて俺らの前では本音を吐けるようにと思って言葉を掛けると、
結城は糸が切れたように泣き出した。

三人で話していたらあっと言う間に時間が経ち、気が付いたら面談終了5分前に差し掛かっていた。
俺たちは「ちゃんと食べるんやで～」と言ってから病室を出た。
沈んでる夕日をバッグに、俺たちはゆっくりと足を進めた。

西畑「なぁ、紫耀」

平野「ん?」

西畑「ー－－結城のこと、好きなん?」

ストレートな俺の質問に紫耀は驚いた表情を浮かべた後、照れ臭そうに「うん」と笑った。
「昨日、気付いたんよ」と微笑むその姿は、俺には眩しく見えた。

……何で、素直に応援できへんのやろ。ずっと、この展開を待ち望んでたはずやのに。
俺は手を握り締めながら、「そっか」と首を縦に振った。