なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ36)

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無理して元気に振る舞ってる感じもするけど、少し表情が明るくなった。
その反応に安堵していると、大吾くんが「これお土産な」と言って紙袋を見せた。
袋の中からフルーツを取り出して、近くの机に置いてくれた。

『おぉ、めちゃくちゃ良いフルーツですね!』

西畑「これ食べて結城の体調が早く良くなるようにって、願掛けの意味も込めたんよ」

高橋「奮発して買ったやつやから、しっかり食べてや」

全部食べ切るにはなかなかの量やったけど、それだけ心配してくれはったってことに胸が痛んだ。
「大事に食べます」と答えると、二人は安心したように笑った。
これからの流れとなにわの現状を20分ぐらい話してもらった後、同期組が腰を上げた。

道枝「ごめんやけど、俺らそろそろ仕事あるから行くな。結城ちゃんの顔見れて良かったわ」

『みっちーがデレた……!?これは記念日や!』

道枝「あぁ、うん」

”キャー!!”と興奮すると、みっちーがスンとした顔で相槌を打った。
「あれ、クールに戻ったな」と呟くと、室内に小さな笑いが零れた。
恭平たちが去ると、病室には紫耀くんと大吾くんが残った。

西畑「……ありがとな、結城」

『ん?』

西畑「謙社を守ってくれたこともそうやけど、今あいつらを慰めてくれたことも。
　特に二つ目は、結城にしか出来んことやったから助かったわ」

その言葉にうちは首を横に振った。うちが謙社を助けられたのはたまたまやから。
そう答えようとしたとき、頭に何かが乗った感覚がした。これは……手?
チラッと目線を上げると、紫耀くんがうちの頭を撫でていた。

『紫耀、くん』

平野「俺らの前では無理せんとって」

まるで紫耀くんの台詞が合図かのように、うちの瞳から雫が溢れ出した。
「あっ」と声を洩らすと同時に、どんどん熱を持った水が零れてきた。
自分では、大丈夫やと思ってた。予想より怪我は酷くなかったし、案外体への害は少なかったから。
ー－－けど、彼の言葉で気付いてしまった。

『……っ!!』

西畑「いくらでも泣いてええから。我慢するのだけはやめてな」

穏やかな声で”よう頑張ったな”と褒めてくれる大吾くん。
うちは二人の手を握りながら、涙を流した。心からの「ごめん」は後でいい。
とにかく、うちは涙という名の思いをぶつけた。

＿＿＿紫耀くんも、大吾くんもホンマにありがとう。
そう言うと、二人は顔を見合わせて優しい笑みを浮かべた。