なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ33)

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お見舞いページ33

結城side

目覚めたはいいものの、病室では特にすることがないことに気付いてしもうた。
悩んで末、看護師さんに頼んでうちのスマホを持ってきてもらった。
マネージャーの佐藤さんとメンバーのみんなに「起きたで～」とスタンプ付きで送ると、
思わず目を見開きそうになるくらい秒で既読が付いた。

『みんな……仕事中、よな?』

時計を見ると午前1時15分を指していた。お昼休憩の時間やったんかな。
そんなことを考えていると、まだLINEを送ってから5分も経ってへんのに30件近く通知が溜まった。
しばらくやり取りをしていくうちに、色んな情報が分かった。

・うちが気を失った後、すぐに救急隊員の方がいらしてライブが止まったこと。
(幸いにもアンコール中やったから一応大体のセトリは出来た)

・照明が落下は留め具がサビて緩くなってたのが原因ということ。

・うち以外には特に大怪我を負った人はおらんくて、
　下敷き寸前だった謙社も打撲と捻挫で済んだということ。

そしてその大怪我を負ったうちも、出血量は多いのに対し傷はそんなに深くないらしい。
血が沢山流れてしまったのは、機材の破片が体中に当たっていたのが理由みたい。
ホンマに破片とかが肌に刺さらんくて良かったわ。

我ながら運がええなぁと感心していると、突然病室の扉がガラッと開いた。
ここは個室で、うち以外に誰もいない。何よりノックもされないのはおかしい。
警戒しながらドアの方に視線を流すと、見覚えのある金髪が視界に映った。

『え……』

「＿＿＿結城!!」

その人物は、勢いよく抱き着いてきた。一番会いたかったけど、一番会いたくもなかった人。
瞬時に状況が理解出来ず唖然としていると、「生きてて、良かった……」と涙声で呟かれた。
抱き締める腕が震えていて、相当心配してくれていたのが伝わる。

『ありがとう、紫耀くん。心配かけてごめんなさい』

彼の背中に腕を回しながらお礼を言うと、
紫耀くんは「結城がいなくなったらどないしようと思ってん」と深刻そうに声を洩らした。

優しい紫髪くんなら、凄く心配してくれはるに決まってるよな。
謙社を守ったことに悔いはないけど、
心労を掛けてしまったことに申し訳ない気持ちが込み上げてきた。

平野「今回の件で、気付いたことがあるんよ。やから、その、後悔する前に結城に伝えたい。」

『……う、うん』

平野「俺、結城のことが＿＿＿＿」