なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ30)

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車ページ30

西畑大吾side

珍しく俺と結城だけのスケジュールが被り、一緒に行動することになったとある日の午後8時過ぎ。
時間帯としてはそこまで遅くないんやけど、まだもう一個仕事が残ってると思うと憂鬱になる。
今日は何時に帰れるんかなぁと思いながら、俺たちは社用車に乗り込んだ。

『ふわぁ。流石に一日で四本撮りはキツい……』

西畑「カツカツやもんなぁ。アカン、めちゃくちゃ眠たなってきたわ」

ちょっと仮眠でも取ろうかなぁと考えていると、突然右肩に何かが倒れてきた。
”え、何!?”と肩をビクつかせて横を見ると、結城が俺の肩に寄り掛かっていた。寝て、る……?
つい数秒前まで会話してたんに、もう寝たん!?
爆速で寝る結城に驚きつつ、それだけ疲れてるやなと感じた。

ダンス練をしたり普段から動いたりしてるからある程度体力はあるやろうけど、限界はある。
ましてや結城はまだ高校生やから、学業とも両立せんといかんから余計大変やと思う。
結城の性格上、何に対しても全力やから応援したくなるんやけど時々心配になる。

マネージャーさんは優秀な人やし何やかんや結城思いやから休ませたがってる話はよう聞くけど、
結城本人は「まだまだ頑張れますよ～」と言って断ってくるらしい。
”無理せんといてな”って言っても頑張るタイプやから、休ませるのが難しいんよな。

西畑「……少しの間だけおやすみ、な」

1時間ぐらいしたら次のスタジオに着くからそんなに長くは寝れんけど、不眠よりはマシやから。
そんなことを考えながら、俺も目を閉じた。

ガタンッ!!
車が揺れた感覚がしたので飛び起きると、ただ車を駐車していただけやった。
ホンマに一瞬危ない何かに襲われたんかと思ったわ。それか普通に故障したのかと。

変な起き方してもうたなぁと若干後悔しながら、俺は隣で寝ている結城を起こした。
「スタジオ着いたで～」と言いながら軽く肩を揺さぶると、「んー」と眠たそうな声が返ってきた。
モゾモゾと動き出したのを確認してから先に車を降りると、結城の動きが止まった。

『シートベルトが外れない……』

寝起きで上手く力が入らんみたいで、「車に閉じ込められるぅ」と泣きそうな表情をしていた。
苦笑しながら結城の上に覆い被さってシートベルトを外すと、彼女はパァと顔を輝かせた。
……良し、仕事が一段落したら絶対に休ませよう。そう決意した西畑だった。