なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ28)

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流星くんの手は何故かそのままうちの手に絡み、恋人繋ぎをされた。
ドキドキしている間もなく、彼は絡み合った手を店員さんに見せた。
”割引でお願いします”と言う流星くんにうちは目を見開いてしまった。

小声で彼の名前を呼ぶと、「まぁまぁ」と宥められた。この人、何しとんの……!?
カップルやないことがバレたらどないしようと内心焦っていると、美味しそうなクレープが届いた。
苺とホイップが綺麗に盛られていて、その上には多種類のチョコが乗っている。

流星くんもフルーツたっぷりのクレープが渡され、満足そうに笑った。
”えぇ……”と困惑しているうちに、サッと手が離され気が付いたら会計が終わっていた。
自分の分の支払いのお金を出そうと財布を見たとき、再び流星くんの手が重なった。

大西「そんな大した金額やないから、出さんでもええよ」

『でも……』

大西「大丈夫やって!どうしても気になるんやったら、今度ジュースとか奢ってな!」

クレープとジュースじゃ全然金額ちゃうのに……。
流星くんって、可愛い見た目に寄らずホンマに紳士やわ。
これ以上粘るのも逆に迷惑かなと思ったうちは、「ありがとうございます」と笑った。

『ー－－というか、良かったん?あんな嘘ついてもうて』

大西「手を握ったところを見せて割引をお願いしただけやから、嘘はついてへんよ」

『……何か、ズルみたいやな』

大西「嘘も方便ってことで許してや～!割引って言葉に弱いんよ」

うぅ、奢ってもらった側やしうちが言及する権利はないか。
そんなことを考えながら注文したクレープを頬張ると、口の中に甘い味と香りが広がった。
ホイップが程よい甘未を発揮していて、下触りがめちゃくちゃいい。

逆に苺は極上の甘さに仕上がってて、チョコとの相性が抜群やった。
チョコたちを包み込んでいる生地にも生地ならではの優しい甘みと温かさがあって美味しい。
そのことを流星くんに伝えると、彼は「今カメラ回ってる?」と辺りをキョロキョロし始めた。

大西「食レポ完璧すぎやない?」

『ここはアイドルとして、日々鍛えておかんとなと思いまして』

大西「流石雨宮さん。プロ意識が高いですね」

ボケとツッコミのやり取りを楽しみながら、うちらはクレープを食べ進めた。
すると、流星くんが「結城」とうちの名前を呼んだ。
「どうしたん?」と言いながら顔を上げると、彼は何故か口を開けていた。
これはまさか＿＿＿＿。