なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ3)

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助けてページ3

結城side

用を済ませて洗面所で手を洗っていたとき、後頭部に鈍い衝撃が走った。
あまりに痛みに意識を保つことが出来ず、うちはそのまま倒れ込んでしまった。

次に目を覚ましたときには、薄暗い倉庫の中にいた。ここは……スタジオの備品置き場?
曖昧な記憶を辿りながら頭の中を整理りていると、「起きた?」と嬉しそうな声が響いた。
ビックリして顔を上げると、そこにはスマホのライトで辺りを照らしている男性が立っていた。

『あなたはっ……!?』

「あ、俺のこと覚えてくれたんだ。嬉しいなぁ」

忘れるわけがない。この前うちにしつこく言い寄ってきたスタッフさんだ。
あのときは丈橋が助けてくれたけど、今はうち一人だけ。アカン、震えが止まらんわ。
溢れそうになる涙を必死に抑え、「今まで嫌がらせの正体はあなたですか」と尋ねた。

「嫌がらせだなんて失敬な。俺からの愛だって」

ふざけてるのか真剣に言ってるのか分からない……けど、危険な状況であることに変わりはない。
警戒心を高めながら彼を見つめていると、
ゆっくりとうちに「やっと二人きりになれたね」と囁いてきた。
気持ち悪さと恐怖で体をビクッと反応させると、彼は満足そうに笑った。

「怯えてる顔も可愛いね」

『狂ってる……!!あんた、何がしたいん!?』

「俺のしたいことは一つだけ。君と結ばれることだよ」

言ってる意味が分からず沈黙していると、「心も体もね」と付け足された。
ー－－そういうことか。最悪な状況に、うちは俯くことしか出来んかった。
次の瞬間、うちは彼に押し倒された。

『……こんなことしていいって、本気で思ってるん?芸能界から消されるどころの話やないで』

「バレたらの話でしょ。安心して、ここはほとんど使われてない倉庫だから。
　誰にも見つかる心配はしなくていい。大丈夫、俺に身を任せてくれればいいから。ね?」

反吐が出るような台詞に、うちは心底嫌気が差した。こんなクズ男に、”初めて”を奪われたない。
やけど、どないしたらええか分からへん……!!
すると、彼は私に足に手を掛けてきた。ゴツゴツしてて、気持ちが悪い。

『触らんといて!ー－－誰か、助けて!!』

「無駄だって言ったじゃん。君は俺と結ばれる運命なんだよ」

泣きながら助けを求めたけど、誰かが来る気配はなかった。
……あぁ、ホンマにもうダメなんや。
＿＿＿そう思った瞬間、”ガンッ!!”と扉が叩かれる音が響いた。