なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ20)

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『はぁ、はぁ、痛い……』

丈くんが薬局に向かってくれはった後、うちは一人でベッドにくるまっていた。
出来る限りギュッとブランケットを抱き締めてみたり、
ライブのことを考えたりして意識を逸らしてみたけどなかなか痛みは治まってくれんかった。

早く帰ってきて。心の底からそれを祈るばかりやった。
痛みと孤独に怯えながら涙を堪えていると、扉をノックする音が聞こえた。
一瞬、丈くんが戻ってきたんやなと思ったけどあの人は鍵を持って行ったはず。
やから、わざわざ部屋のドアを叩くなんておかしい。

『どなた、ですか?』

「俺俺!って、これじゃあ詐欺師っぽいか。西畑大吾と道枝駿佑で～す!」

大吾くんにみっちー!?何でうちらの部屋の前におるん!?
驚きながら扉を開けると、寝間着姿の二人が立っていた。え、え、幻覚?
うちもとうとうヤバくなったんかなと思いながら目をこすると、
「大丈夫、夢やないで」と言って大吾くんに笑われた。

『何で二人がここに?今日の打ち合わせはもう終わったよな……?』

道枝「いや、個人的に遊びに来ただけ」

西畑「そーそー!立ち話もアレやし、部屋の中入ってもええ?」

断る理由もないので「どうぞ」と言って室内に入れた。
大吾くんはともかく、みっちーまでうちの泊ってる部屋に来るのは珍しい。
まぁ、珍しいのは基本的にうちがみっちーの部屋に凸してるからなんやけど。

西畑「何する?君に捧げるミステリーの考察でもする?」

『そういうのって本人の前でやるもんなん?』

道枝「俺やりたい!結構面白そう」

『よし、今すぐやるか』

「対応違いすぎん!?」というクレームが聞こえたけど、とりあえずスルーしておいた。
そんなこんなで始まった考察大会。事件の犯人は誰かとか、薫は誰とくっ付くのかとか。
色んなお話をして盛り上がった。痛みも忘れかけていた頃、ガチャッと部屋の扉が開いた。

藤原「ただいま～。遅くなってごめんな」

『おかえりなさい、丈くん!わざわざありがとうございました』

丈くんは袋から薬を取り出しながら「大吾たち来てたんやな」と言葉を紡いだ。
その台詞に対し、大吾くんは不思議そうに首を傾げていた。

西畑「来てたも何も、丈くんが結城の傍に居てやってほしいって＿＿＿あっ」

藤原「何サラッとバラしとんねん!!」

……そういうことやったんか。
うちは「三人とも、ありがとうございます」と言ってクスッと笑った。