なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ19)

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女の子の日ページ19

『もし今すぐ手に入るなら、痛みをなくす魔法がほしい……』

藤原「急にどうし＿＿＿あぁ、そういう」

なにわ男子でのライブツアー中。
深夜にホテルのベッドでうずくまっていると、同室の丈くんが事情を察してくれた。
そう、最悪なことに女の子ならでは日がやってきてしまったのだ。

藤原「薬は?」

『さっき飲んだやつが最後やった。バタバタしてて、痛み止め買うの忘れてました』

一番重い二日目やのに薬がないって終わってる。買いに行こうにも、もう間に合わない。
”はぁ”とため息をついていると、何故か丈くんは上着を羽織り自分の鞄を漁り始めた。
そして財布を取り出し、靴を履いて部屋を出ようとしていた。

『待ってください!丈くん、どこに行きはるんですか?』

藤原「薬局。今調べたら、22時までやったらやってる店がこの近くで一件ヒットした」

現在の時刻は21時47分。結構ギリギリだ。
「急いで買いに行ってくる」と言う丈くんに対し、うちは「ありがとう」と伝えた。
買いに行かせることに対しての申し訳なさもあるけど、正直今は痛み止めがほしい。

それに謝罪より感謝を伝えた方がええかなと思ってお礼の言葉を口にした。
丈くんは「おん」と返事をしてから、”あっ”と声を洩らした。
一旦靴を脱いで自分の荷物が置いてあるところまで近づき、ブランケットを手に取った。

何するんかなぁって思ったら、丈くんは何故かうちの頭にブランケットを被せてきた。
意味が分からず「突然何するんですかぁ!」と声を上げると、
彼は「それ、持っといてええで」と言ってきた。

『持っといてええって言われても……あ、温かくしろってことですか?』

藤原「それもあるけど……」

うちの質問に歯切れ悪く答える丈くん。もう一つ意味があるってことなんかな。
次の言葉を待っていると、彼はそっぽを向きながら「匂いがするものがあれば」と呟いた。
”うん?”と首を傾げると、丈くんは恥ずかしそうに”一人やって感じしないやろ”と言った。

藤原「あいつら呼んでもええけど、絶対騒がしくなってゆっくり出来ないやろうから。
　せやったら俺のブランケット渡した方がええかなと思って」

『でも、これお気に入りのやつなんじゃ』

藤原「そんなん気にせんでええよ。俺も結城の匂いやったら気にならんし」

彼なりに、気を遣ってくれてるのが分かった。
……ありがと、丈くん。大切に使わせてもらうわ。