なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ12)

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ダンス練サボったから怒られるんかな。それとも泣いてたことを慰められる?
どっちにしても複雑やなと不貞腐れていると、頭上から予想外の声が降って来た。

平野「かくれんぼ中?」

『＿＿＿え?』

平野「あ、かくれ鬼の方やった?」

『いや、そうことやなくて』

まさかこの状況で遊んでると勘違いされるとは思ってなかった。
普通、泣いてる女の子にそんな質問ぶつける?
もの凄くツッコミたかったけど、相手は先輩というのを思い出し無理矢理抑え込んだ。
この時のうちは、紫耀くんとどんな会話をしてええんか分からんくて黙ってもうた。

平野「もしかして、休憩中やった?」

『……そんなところです』

ホンマはサボってただけやけど、
それを先輩に伝えたら怒られると思って咄嗟に誤魔化してしまった。
紫耀くんは「なるほど」と言いながらうちの隣に腰を下ろした。
思わず「何してはるんですか?」と問うと、「俺も休憩しようかと思って」と返された。

平野「俺一人で行動すんのあんま好きやないからさ。
　かと言って、このまま戻るとみんなで騒いじゃって”休憩”にはならなそうやし。
　雨宮ちゃんが良かったら、ちょっとだけ俺に付き合うてくれへん?」

気遣われてるなぁって感じとったから、厚意を無下にすることも出来ずうちは承諾してしまった。
人見知りやと言っていた紫耀くんとは、意外にも気が合った。
30分ぐらい雑談した後、うちは紫耀くんに自分の悩みを打ち明けることにした。

仲良くなってから間もないし、この人になら話してもええなって思えた。
紫耀くんは、うちの話を遮ることなく最後まで聞いてくれた。
そのおかげで、不安に思っていたことのほとんどを吐露することが出来た。

平野「……窃盗の濡れ衣、か。最悪な嫌がらせやな」

『うちはやってないって信じてくれはるんですか?』

平野「そんなん、普段の行動とか今喋ってる雰囲気で分かるよ。
　雨宮ちゃんは人の物を盗んで楽しむような性格やないやろ?」

ー－－真っ直ぐ、うちを信じてくれたことが嬉しかった。
事件に関係のない第三者から信頼してもらえたという事実だけで、少し安心することが出来た。
ホッと息をついていると、「大吾たちも同じこと考えてると思うで?」という声が耳に入った。

平野「言葉にせんから分かりにくいけど、
　何やかや言ってみんな雨宮ちゃんのことが大好きやからな」