なにわ恋愛注意報発令中＿＿＿!?【Ⅱ】 (ページ11)

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なにわの中やったら、大吾くんが一番気まずい関係やったと思う。
今じゃ考えられへんけど、目が合ったら挨拶するぐらいの距離感やった。
近くにいても一言も話さへんし、何なら喧嘩中なんかってぐらい空気が重かったなぁ。

ホンマはお互い人見知りしてただけなんやけど、
周りはそれに気付いてくれずずっと不仲なんやって思ってたみたい。
昔撮ったダンス練の動画とか見返すと、そう思われても仕方ないぐらい仲が悪そうやった。

でも、少しずつではあれど関西Jr.のみんなと距離を縮められていた。
最初は険悪な雰囲気を出していた先輩もだんだん和らいでいったし、
時が経つにつれ色んな人とお話出来るようになった。

このまま順調にいけば大丈夫。
そんな風に浮かれていたため、あの日(・・・)のショックに耐えることが出来なんかった。
どんな場所でも、嫌がらせをしてくる人たちはいた。

辛かったけどうちには仲間がいるって思えば、乗り越えることが出来た。
……やけど。その安心感と幸せは突然崩された。
ある日、謙社の持ち物がうちのバッグに入っているという事件が起きた。

他にも流星くんもメイク道具が隠されていたり、みっちーの台本に落書きされていたり。
それらは全部、何故かうちのせいやということになっていた。
もちろんうちはそんなことやってへんし、完全な濡れ衣だ。

謙社たちは「結城やったとは思ってへんよ」と言ってくれたけど、うちは不安になってしまった。
もし心の中ではうちを恨んでいたら?これ以上、みんなに被害が広がったら?
考えれば考えるほど、うちの中の恐怖はどんどん膨れ上がっていった。

耐え切れなくなったうちは、ダンス練をズル休みした。
練習場には足を運んではいたけど、みんなと顔を合わせるのが怖くて階段の下にうずくまっていた。
体育座りをしながら必死に泣くのを堪えていると、頭上から「雨宮ちゃん?」と呼ぶ声が聞こえた。

驚いて顔を上げると、そこにはビックリするぐらい顔の整った青年が立っていた。
どこか少年のようなあどけなさもあって、まさに”美青年”という言葉が似合う人。
この人、確か＿＿＿。

『平野、紫耀くん……?』

持ち前の天然さと明るさでファンを虜にしているMr.KINGのメンバー。
そんなに喋ったことはないけど、存在自体は認知していた。
”何でここに?”と尋ねようとした瞬間、彼はうちの前にしゃがみ込んだ。