メイクポーチ ページ44
『あれ……ポーチがない』
逆転男子の収録日、本番1時間前。
お手洗いからメイクルームに戻ってきて机を見た瞬間、そこにあるはずのうちの私物が消えていた。
ちゃんと見えるところに置いたはずやのに、どこにも見当たらない。
メイクポーチを持って来た記憶はあるから確実にこの部屋にあるはずなんやけど、全く見つからん。
うーんと頭を悩ませながら部屋の中をグルグルしていると、ガチャッと扉が開かれた。
ビックリして顔を上げると、そこにはメイク道具を持った流星くんが立っていた。
「そこで何してるん?」と驚かれたうちは泣きそうになりながら彼の名前を呼んだ。
『緊急事態発生です。うちのメイクポーチが家出しました』
大西「また家に忘れてきたん?最近忘れ物多ない?」
『そうやなくて、
さっきまでそこにいた相棒ちゃんがうちが一瞬の席を外した隙にいなくなってたんですよ』
あらぬ誤解を受けたので訂正しながら状況を説明すると、彼は「は?」と素っ頓狂な声を出した。
明るい表情が一瞬にして険しいものに変わり、「それ詳しく聞かせて」と話を促した。
1分程度で今起きたことを伝えると、流星くんは何かを考え込むような顔をしていた。
大西「嫌がらせ……やな」
『まだそうと決まったわけやないで。うちの相棒ちゃんがどこかに遊びに行ったって線も＿＿＿』
大西「メイクポーチが独りでに動き出すわけないやろ」
あまりにも深刻な顔をしていたので場を和ますためにボケると、ガチトーンで返されてしまった。
正論すぎて何も言い返せずにいると、「とりあえず、俺のやつ貸したるわ」と言ってくれた。
「ええんですか?」と遠慮すると、「いつも貸し借りしてるし別にええよ」と笑ってくれた。
その対応にホッとしながら、うちは流星くんからメイク道具を借りた。
大西「結城は犯人に心当たりはあるん?」
『特には……』
メイク中に投げられた質問にそう答えると、「そうよなぁ」と悩んでいる声が聞こえた。
変なことに時間を使わせてしまって申し訳ないなと思いつつ、
うちは「この事は他メンには内緒でお願いします」と頭を下げた。
最初は呆れられたけど、何度かお願いし続けたら渋々了承してくれた。
大西「その代わり、何かあったらすぐ俺に言うんやで!?」
”絶対やからな!?”と念を押されたうちはコクンと頷いて「ありがとう」とお礼を言った。
……心配性なお兄ちゃんがいて、うちは幸せもんやなぁ。
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雨萩さくり(プロフ) - 影さん» こちらこそ参加させてくださりありがとうございました！！興味を持ってもらえて凄く嬉しいです✨なにわ男子様は特に面白いしカッコいいので是非見てみてください(*´ω｀*) (2月15日 19時) (
レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
影(プロフ) - 2回目のご参加、ありがとうございますー！正直、あまりジャニーズ様のことはあまり知らないのですが、雨萩さくり さんの小説で興味がわいてきました！テレビなどに出ていたら見てみようと思います！ (2月15日 18時) (レス) @page21 id: 2ac859685b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年1月26日 15時
