感謝 ページ6
『あのお二人、このままで大丈夫でしょうか……』
美羽さんが危険な目に遭うんじゃないかと思って心配したけど、
「ああいう彼氏がいても浮気出来るぐらいの神経があるんだから大丈夫だろ」と、
さとみさんは呆れ気味にというか興味なさそうに呟いた。
その言葉に納得しながら、私はさとみさんに向かって頭を下げた。
”助けに来てくださりありがとうございました”とお礼を言うと、
彼は腕時計を確認しながらチラッと私に視線を流して「怪我は？」と尋ねた。
予想外の質問に驚きながら、「特には……」と答えた。
そして、何故か無言で私を見つめているさとみさんの真意が分からずタジタジしていると、
正面から手が伸びてくるのが見えた。
”叩かれる……！？”と焦りながら目をつむった瞬間、ポンッと頭の上に手が置かれた感触がした。
さとみ「＿＿＿そうまを守ってくれてありがとう」
それだけ言って、さとみさんは立ち去ってしまった。
緊張が途切れたせいか、彼が微笑んでいるという幻覚まで見えてしまった気がする。
訳が分からず呆然としていると、後ろからクスクス笑う声が聞こえた。
声がした方に顔を向けると、莉犬さんたちがこちらの方向に歩いてくるのが視界に入った。
莉犬「さとちゃんはツンデレだなぁ」
あっと「素直じゃないですよね」
まひと「そこがさとみくんのいい所でもあるんですけどね」
そんな会話をしながら足を進め、私の目の前に立った途端、
皆さん口々に「お疲れ様」・「ありがとう」など、様々な激励の言葉を送ってくれた。
私は美羽さんたちに本来の問題点を伝えただけで、実際にそうまさんを助けたのはさとみさんだ。
だから、私はこれと言って何もしてない。
そう伝えると、そうまさんたちは優しい笑みを浮かべながら首を横に振った。
そうま「……最初こっちに来たときは正直”どうしよう”って焦りましたけど、
あの時柚木さんが来てくれなければきっと事態は変わらなかったと思います。
ー−−体を張ってまで助けに来てくださりありがとうございました！」
莉犬「俺も、桜子ちゃんの言葉でハッとしたよ。そうまくんを、STPRを救ってくれてありがとう」
大人が子供に頭を下げるなんて光景は中々見れるものじゃないと思う。
ましてや、子供相手に大人が本気で感謝することは早々ない。
＿＿＿あぁ。こんな私でも、誰かの役に立てたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さまー(プロフ) - 雨萩さくりさん» 楽しみだぜ！ (2月9日 7時) (
レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - さまーさん» ありがとー！！進化系人類のさくりさんだからこれからも面白いと思う作品を沢山届けていくぜ！ (2月8日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 愛されるべきおバカと自称している進化系人類ってwどんな肩書き！？面白すぎるよさくりー！ (2月8日 16時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - みやび。さん» コメントありがとうございます！小説の書き方が好きだと言ってもらえて嬉しいです！STPRはもちろん、VOISNGメンバーもこれからどんどん出していくのでお楽しみに！！ (2月6日 16時) (レス) @page48 id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
みやび。 - えぇぇぇ！？元々この小説の書き方が好きで読んでたんですけどそこに推しが登場するかもしれないとかもう命日です、ありがとうございます…泣 (2月6日 9時) (レス) id: fee9ea9627 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年12月21日 8時
