出来損ないは英雄 (ページ4)

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初めてのともだちページ4

彼と_____グルッペンとともだちになった後

｢A!!｣

グルッペンは私に付きっきりとなった

｢何?｣

正直嬉しかった

温かい温もりが近くにあったことは無かったから

けれど

自分とグルッペンの差を感じさせるものもあった

ともだちとは対等

私とグルッペンとでは余りにも差があり過ぎる

グルッペンは顔が良くて強く、性格もいいしかっこいい

私は顔は普通で出来損ない、性格は卑屈で可愛くない

それは私のコンプレックスとなっていた

だがグルッペンにもコンプレックスというものはあったらしい

｢…グルッペン、口にクリーム付いてるよ｣

｢え゛ｯ!?……嫌だったろ、すまん｣

グルッペンはこれを酷く気にしていた

それは近くにいて分かったこと

____グルッペンはケーキが大好きだ

｢…引いたやろ?｣

今の時代、男はしっかり勇敢に、という時代である

そんな時代だからこそ男が甘いもの好きなんて断固両断

でもそんな彼のコンプレックスは

｢え、別に｣

別に可笑しくないと思った

｢好きな物食べていいでしょ、個人の自由だし｣

｢…そっか、そうやな!!｣

それに

｢……私だけそれ知ってるっていうのも、ちょっと嬉しいかな｣

秘密の共有は友達同士の証らしい

少しでも友達っぽい事が出来たから嬉しかった

｢…そういう事、俺だけにに言ってくれな?｣

グルッペンは耳だけが真っ赤だった

顔は普通に微笑んでるのに何故か耳だけ真っ赤

｢友達にしか言わないよ｣

｢……そーですか｣

友達と過ごすのはとても楽しい