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――合コン当日。
事前に送られてきた住所を頼りに、辿り着いたのは普通の居酒屋だった。
暖簾を潜って中に入れば、「いらっしゃっせー！」と元気な挨拶が飛んで来る。
予約していた時間と顔も知らない代表者の名前を伝え、案内されたのはそこそこの広さのお座敷。
その隅の方に腰かけた。
……彼女の姿はまだ見当たらない。
つまり、今ここに俺の知り合いは居ないという訳で。
スマホでも見ていようかとポケットから取り出すと、一つ開けた先の座布団に座っていた人が「ねぇ」と声をかけてきた。
「君が噂の東大生？ Aさんに誘われたっていう」
「あ、多分そう……だと思います。噂とかそんな話は今初めて聞きましたけど」
「ごめんね〜付き合わせちゃって。でも来てくれてありがとう。東大の勉強の事とか教えてよ」
「僕の学部の話でよければ」
所謂合コン、と聞いてもっとなんというか……野蛮なものを想像していたけれど。
よく考えれば相手は全員京大生なのだ。普通の、知的な意見交換会で終わる可能性だって十分にある。
……だとしたら、俺が危惧していたような事は起こり得なかったのではないだろうか。
なんてもう今更遅いけど。
折角きたからには、有意義に時間を過ごしたい。
定刻の5分前にやってきた彼女は、便宜上俺の前の座布団に座りにぺこりと会釈した。
大きめのピアスが耳元でキラリと揺れる。
「はいじゃあ、各々先飲み
……ピアス、開いてたんだ。
名前も知らない人が仕切る声を右から左へ聞き流しつつ、ぼうっとそんな思っていれば口パクで「見、す、ぎ、で、す、よ」と言われ、慌ててドリンクメニューに視線を落とした。
……別に、Aさんを見ていた訳じゃ。
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じばくスイッチ(プロフ) - ユメさん» そんな風に思って頂けたら……というコメントを頂戴して驚きと共に大変嬉しいです。ありがとうございます。きっと青春って甘くてきらきらしたものばかりじゃないよなぁという思いで書いておりました。こちらこそ、読んでくださり本当にありがとうございます。 (2023年3月10日 7時) (
レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - ほんの少し何かが違っていれば結ばれていたようで、でも何度やり直しても同じ結末を辿りそうな二人の関係が本当に切なくて美しくて、こんなに素敵な作品を世に出してくださった作者様に感謝です。 (2023年3月9日 21時) (レス) @page26 id: c6aaf0c2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2023年1月3日 23時
