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俺は話を聞いているうちに何だか、この同い年であるはずのお嬢様が不憫に思えてきてしまって。
だって、今まで過ごしてきた時間は自分と同じ筈なのに、自由に外出もできなかった、一人暮らしも許してもらえなかったなんて。
……他人の家庭事情に口を出すのは野暮なので、言いはしないけれど。
それに、この
自分のスマートフォンをさし出す彼女に了承の言葉を返し、その画面を読み取る。
今の時代、「連絡先交換」といえばラインではなくインスタなんだなあと在り来りなことを思って。
彼女のアカウントのフォロワー数を見て、少し驚いた。
なんだ、意外とアクティブな人なのか。
「……あ、定期券を拾って頂いた事と、お願いを聞いてくださったお礼にこれ、よかったら」
「なんですか？……ホテル？」
「『エンバースホテル』のペアチケットです。
……知人に頂いたんですが、私は行く機会が無いので」
「エンバースホテル」？
聞いたことの無い名前のホテルだけれど、なにかで有名な所なのだろうか。
そんなことを思っていれば、彼女はまるで俺の心を読んだかのように「全部屋露天風呂付きの、美味しい京都肉が食べられるホテルです。使用期限は一年後なので」とチケットを此方に差し出した。
そんなことをされてしまったら、押し返すわけにもいかず。
ここは有難く、厚意を頂戴するとしよう。
……京都肉に釣られたわけではない。断じて。
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じばくスイッチ(プロフ) - ユメさん» そんな風に思って頂けたら……というコメントを頂戴して驚きと共に大変嬉しいです。ありがとうございます。きっと青春って甘くてきらきらしたものばかりじゃないよなぁという思いで書いておりました。こちらこそ、読んでくださり本当にありがとうございます。 (2023年3月10日 7時) (
レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - ほんの少し何かが違っていれば結ばれていたようで、でも何度やり直しても同じ結末を辿りそうな二人の関係が本当に切なくて美しくて、こんなに素敵な作品を世に出してくださった作者様に感謝です。 (2023年3月9日 21時) (レス) @page26 id: c6aaf0c2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2023年1月3日 23時
