コンシャス バイ アンコンシャス／trsk ページ31
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「……なんでまたわざわざ汗かこうとするのかな」
いつもよりガードの緩い襟元の所為か、色気三割増の河村さんが半目で呟く。
こちら側のボルテージが高まるのに反比例して、冷めきった視線を向けながら。
会社を挙げてやってきた、隠れた名湯への慰安旅行。
しかし「知らないこと」への興味関心が世間の平均より高い彼らにとっては、秘湯といえども常識らしく。
「寧ろ秘湯の方が有名まである」という誰かが言った矛盾した持論に、行きの車中では私だけが「はぇー」と間抜けな相槌を零していた。
そんな「有名な秘湯」上がりである彼は、温泉施設によくあるラタンの椅子に腰かけ、コーヒー牛乳の瓶を傾けていた。
なんてことないそんな日常の一幕ですら、この人がすると様になるのだから不思議なもので。
一方、卓球の経験など体育の授業以外ではゼロに等しい私は、様にならないフォームでラケットを構え、その度隣の修功くんに手取り足取り指導を受けていた。
「このラケットの持ち方は、こう。握手する手とおんなじね？」
「こう……だよね？」
……後ろから、まるで抱き締めるかのような体制で。
私の歪な右手をラケットから解いた彼は、私が正しくシェークハンドしたのを見て「うん」と頷いた。
「で、それと……」
「ハイそこ！ イチャイチャすんなって！
「よし、いくぜ」
まだレクチャーの途中だというのに。
ピン、と伸ばした指の付け根にピンポン玉を乗せた伊沢さんは、なんの躊躇いもなくそれを上に放り投げる。
「えっちょっ、と待っ……！」
私の制止も虚しく、振られたラケットはそのまま球を弾き出す。
それは当然、対角線上にいる私の方へと飛んできた。
慌てて付け焼き刃のフォームで打ち返す。
すると緩く山なりの軌道を描いたピンポン玉。
その先に待ち構えるのは、スマッシュの体制を万全に整えた須貝さんで。
「やばっ」
「喰らえ……っだあぁ！！」
カツーン！ と高い音をたて、豪速球がこちらのコートに打ち込まれた。
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??????_??(プロフ) - 初コメ失礼します。めっちゃ最高です🥹私はkochan推しなのですが、izwさんメインの『華胥之夢』が絶妙にエロくて刺さりましたwやっぱりizwさんとkwmrさんはQK二大お色気組ですよね！wこれからも引き続き楽しく読ませて頂きます♪ (2022年11月12日 22時) (
レス) @page49 id: 7968ecbec3 (このIDを非表示/違反報告)
じばくスイッチ(プロフ) - JACKさん» はじめまして、コメントありがとうございます。書き手様にそういって頂けると嬉しさもひとしおですね……！ これからちょこちょこと更新しますのでどうぞよろしくお願い致します。 (2022年7月23日 19時) (レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - はじめまして。言葉と雰囲気が素敵でした！それぞれ御相手の個性がしっかり描けていて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年7月23日 13時) (レス) @page27 id: ab0ec0b714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2022年7月19日 15時
