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「伊沢」
すると間髪入れず、咎めるような鋭い声が飛んできた。
……別に意味まで教えようなんて思っちゃいないのに、慎重派だなあ河村さんは。
けれどそんな俺たちの事など意に介さない様子で、挟まれた彼女は両側を交互に見やりながら「カクテル言葉？」と復唱した。
「聞いた事はある、けど……どれが何とかまでは知らない」
「……そ」
それだけ言って、俺は口をつぐんだ。二つ隣でため息が落ちる。
頬杖をつきながら視線を投げれば、感情の読めない視線を返された。
……彼だってきっと、まだ気持ちの整理ができてないのだ。
「なんで？」と聞かれてもはぐらかす俺にいいかげん諦めがついたのか、スマホを見ていた彼女は突然「あ！」と喜色の混じった声をあげた。
「たっくん、そろそろ着くって。 二人はまだ帰らない？」
「……僕はまだ来たばっかだし」
「男二人でむさ苦しく飲んでくわ」
「ん、わかった。じゃあ、またね」
「また」
「うん。……またね」
お金を置いていくという彼女に「ご祝儀だ」と二人で押し切って、ドアベルを鳴らして出ていく誰かのものになった背を見送った。
出てすぐの所に人影が見えたから、おそらく昼間見た新郎だろう。
いくら幼馴染とはいえ新妻を男二人と飲ませるんだから、信用されてるんだか、同じ土俵に立っているとすら思われていないのか。
……俺も河村さんも、その宏量さに救われたのは間違いないんだけど。
ぶちぶちと心の中で負け文句を吐いていれば、間に人の居なくなった二つ隣から、再び小さな溜息が聞こえてきた。
それにつられてカウンターに視線を戻す。
「伊沢にあげる、それ」
「……いや自分で飲みなよ」
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??????_??(プロフ) - 初コメ失礼します。めっちゃ最高です🥹私はkochan推しなのですが、izwさんメインの『華胥之夢』が絶妙にエロくて刺さりましたwやっぱりizwさんとkwmrさんはQK二大お色気組ですよね！wこれからも引き続き楽しく読ませて頂きます♪ (2022年11月12日 22時) (
レス) @page49 id: 7968ecbec3 (このIDを非表示/違反報告)
じばくスイッチ(プロフ) - JACKさん» はじめまして、コメントありがとうございます。書き手様にそういって頂けると嬉しさもひとしおですね……！ これからちょこちょこと更新しますのでどうぞよろしくお願い致します。 (2022年7月23日 19時) (レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - はじめまして。言葉と雰囲気が素敵でした！それぞれ御相手の個性がしっかり描けていて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年7月23日 13時) (レス) @page27 id: ab0ec0b714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2022年7月19日 15時
