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今思えば、高校生の頃に「高校生クイズに出た」という話くらいは風の噂で聞いていた。
私の一つ下で、幼馴染である福良拳という男は、昔から頭の切れる子で。
それを聞いた時「ふうん」程度の感想しか抱かなかったから、あまり覚えていなかったのかもしれない。
感想が薄かったのは、彼をあまりに買っていたのか、その大会のスケールを知らなかったからなのか。
今となってはわかりようも無いことだけれど。
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うららかな春の日差しが降り注ぐ、まだ木の香りが漂う引っ越したばかりのマンションで。
ブランケットを膝にかけ、そこに読みかけの本を開いたままソファでうとうととしていれば、私の耳にタイピングの音だけが心地よく響く。
そのディスプレイを覗き見ても、私には何なのか到底分かりようもない単語や画像が並んでいて。
「作家さんはすごいなあ」なんて、まるで中身のない感想を零した。
「ずっとやってる事だからね。逆に俺にはAさんのやってる仕事はできないし、いつも見ててすごいなあと思うよ」
「えぇ？
……でもなんか前テレビで見た、お題の単語出されてその場で即興クイズつくるやつ。
あれは拳くんくらいの頭の回転の速さがないと出来ないよ」
「ベタ問だしクイズやってる人からしたらそんなでも無いと思うけど……」と尚も謙遜する彼に、すごいんです！ と押し切って隣に座る。
肩にそっと寄りかかれば、床に落ちたブランケットを引き寄せて肩にかけ直してくれた。
「眠いんでしょ、ちょっとお昼寝したら？ それとも一緒に寝る？」
「……それも魅力的だけど。いいの、今は拳くんのパソコンの音聞いてたい」
「そう？」
無理しないでね、と再びディスプレイに顔を向けた彼に、「うん」と返して瞼を下ろす。
寝はしない。目を閉じるだけだ。
……だって目を開けていたって、難しい文章が並んでるだけなんだもの。
どのくらい、そうしていただろうか。
「ちょっとごめん」と、一旦私の頭を退けた拳くんが肩を回すのを見て、私もぐーっと伸びをした。
「ごめん、重かったよね」
「や、ううん、そうじゃなくて。パソコンやってるとどうしても肩凝るんだよね」
「じゃあそんな拳くんを、私が労って差し上げましょう」
「えぇ？ 寄っかかってていいのに」
そんな優しさを気持ちだけ受け取りつつ、再びソファに座り、しっかりとした幅の肩に手を添える。
リズムよく揉んでいれば「あー気持ちいい」と特上の感想をいただいてしまった。満足。
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??????_??(プロフ) - 初コメ失礼します。めっちゃ最高です🥹私はkochan推しなのですが、izwさんメインの『華胥之夢』が絶妙にエロくて刺さりましたwやっぱりizwさんとkwmrさんはQK二大お色気組ですよね！wこれからも引き続き楽しく読ませて頂きます♪ (2022年11月12日 22時) (
レス) @page49 id: 7968ecbec3 (このIDを非表示/違反報告)
じばくスイッチ(プロフ) - JACKさん» はじめまして、コメントありがとうございます。書き手様にそういって頂けると嬉しさもひとしおですね……！ これからちょこちょこと更新しますのでどうぞよろしくお願い致します。 (2022年7月23日 19時) (レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - はじめまして。言葉と雰囲気が素敵でした！それぞれ御相手の個性がしっかり描けていて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年7月23日 13時) (レス) @page27 id: ab0ec0b714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じばくスイッチ | 作成日時：2022年7月19日 15時
