*慧くん、 ページ42
貴方side
・
『…っ』
あ…やだ、また寝ちゃった……?
身体が動かないのと、眠気が襲ってくるせいで寝てしまっていた私。
窓からさすオレンジ色の夕日。
お昼頃から結構寝ていたはずなのに、全然スッキリしない。
むしろ、よりだるい…
・
・
また瞼が閉じそうになった時、ふと手に温もりを感じたのと
すすり泣くような声………
『……ぇ、』
一瞬、自分の目を疑った。
・
慧「…A……っ」
震えてる肩に震えた声。
髪もなにもぐしゃぐしゃで、ベッドに顔を伏せたまま
見たことのない彼の姿が、そこにあった……
・
『……慧、く』
彼には届いてない。
慧「やだ…いなくならないで……っ」
ぎゅっと握られた手から熱が伝わる。
それと裏腹に、泣いている慧くん…
初めてだった、こんなに弱く泣いているのを見るのは
・
……………これが、あなたの本心、?
いつもいつもけろっと笑って
病気が見つかった時も笑顔で支えてくれて
視力が低下した時も側で笑って助けてくれて
全部、全部……
辛いのに、笑ってくれてたの………?
・
『……っ、…』
そう、彼の真実を知った途端溢れてくる涙。
苦しかったんだ、本当は
笑っていても、本当は辛くて……悲しくて
ずっと隠して…笑って…
・
・
くっ、と手に力が入った。
それに気づいて、顔を上げた慧くん。
真っ赤な目
涙が残った頬
全部、私のせいで…私のために。
慧「A…!いつ、から…っ」
『……慧くん…!』
私は全ての力を振り絞り、彼を抱きしめた。
ふわ…と香る大人の香り。だけど、優しい
『ごめんね…っずっとずっと慧くんは笑ってくれて……
私が苦しい時も辛い時も、笑顔で支えてくれて…だけど本当は辛かったんだね…、っ
自分の気持ちを押し殺してまで笑ってくれて…ありがとう…っ!』
慧「…A」
涙ぐんだ声で囁いた後、肩に顔を埋めてきた彼
背中に回された腕がせがるように強くて、また、じわりと熱が滲む。
慧「離れていかないで……っ
俺を…1人にしないで…」
・
初めて聞いた慧くんの本音
また、2人で涙を流した。
201人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか(プロフ) - こんな泣かないよってくらい泣きました。国語力なく誰のコメントも書いたことがなくさくらんぼさんが初めてで伝わりにくいかも知れませんがもう嫌とか人生嫌って人に見てほしいと思いました。生きたいけど出来ない人の辛さ分かりました。本当にありがとうございました。 (2017年4月4日 5時) (レス) id: 2f59a603bc (このIDを非表示/違反報告)
Blue White - 涙。何回読んでも泣けます!幸せな時間をありがとうございました。 (2017年3月12日 13時) (レス) id: 96f5815679 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - めっちゃ泣けました!! (2017年1月31日 18時) (レス) id: 445f9048f6 (このIDを非表示/違反報告)
潤純*(プロフ) - すごく感動しました。大切な人を失うことがとても辛く、悲しいことが改めて分かりました。私もこんなに自分を愛してくれる人を見つけてたいです。この小説を書いてくださり、本当にありがとうございました。本当にいい小説でした! (2016年11月26日 23時) (レス) id: 4cd23dc5db (このIDを非表示/違反報告)
ストロベリーkeiki - すごい涙が止まりませんでした。この作品を読むことができて良かったです。ありがとうございました。 (2016年11月26日 20時) (レス) id: 110dd33b09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*さくらんぼ* | 作成日時:2016年7月29日 22時