48話[過去編] ページ50
無我夢中で暴れていたら
いつの間にか部屋に入ってきていたクロに腕を掴まれた。
黒尾『ハルｯ…おい、落ち着けって！！
また怪我でもしたら＿』
何でここにいるんだよ。
わざわざ目障りな奴の家に、何しに来たんだよ。
ハル『＿うるさい黙れ！！
お前何しに家来たんだよ！！
飛べなくなった俺をわざわざ笑いにでも来たのかよ！？』
黒尾『はあ…？ハル、お前何言ってんだよ。
笑うわけないだろ。
それより、母ちゃんが心配してたぞ
迎え行った時から元気ないって…』
A『…クロの方こそ何言ってんだよ
俺が選手引退して、内心スカッとしてんだろ！？
俺が、目障りで仕方なかったんだろ！？』
黒尾『何を勘違いしてんだか知らねえが、
俺はｯ！お前をずっと尊敬してるし、憧れてたよ！！！
こんなに高く綺麗に飛ぶお前を＿』
そう言ってクロが指をさす先には、
俺がスパイクを打つ瞬間の写真。
ハル『俺はもう、二度とこんな飛べないんだよ！！
……こんな写真、もういらない。目障りだ。』
黒尾『おい、待てよハル＿』
コルクボードから乱雑にひっぺがし、
クロの制止も聞かず そのまま自分の写真を破り捨てた。
A『……来てもらったトコわりぃけど、今日は帰って』
黒尾『…ｯ』
何故かクロはショックを受けた顔をしていた。
いつも優しいクロにこんな顔をさせてしまった事に
罪悪感を抱きながら顔を見てないフリして部屋を出ると、
A『…っ母さん』
いつからいたのか、心配そうな顔をした母さんがいた。
A母『…A。
パパと再婚して、Aのママになってから今まで
鉄朗くんと喧嘩したって話は、
アンタ本人にも、鉄朗くんのパパにも…お姉ちゃんにも
何回も、それこそAが小学生の頃は何十回も聞いた事あった。
実際アンタら二人がドンパチしてる現場を最後に見たのは
もう何年も前だったけど
…今日やっぱいつもと違うよ、アンタら気づかないうちに
どっかですれ違っちゃってるんじゃないの…？』
母さんがこんなに心配しているのはきっと
今まで俺は誰かと喧嘩しても、イライラしたりしても
一度も物に当たった事がないから。
そんな息子が物に当たり散らしてたらそりゃ心配にもなる。
A『…そんなこと、』
ただ俺が勘違いしただけ
もしそうだったら、どれだけ良かった事か。
黒尾『＿Aの母ちゃん
せっかく飯誘ってくれたとこ申し訳ないんだけど、
今日は俺…帰るわ。
また明日な、A。』
少し遅れて俺の部屋から出てきたクロは、
そう言って静かに家を出ていった。
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キクラゲ(プロフ) - ナノハナさん» ナノハナさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！(^^)更新頑張っていきますので、これからもぜひよろしくお願いいたします。 (3月11日 7時) (
レス) id: c522cf4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 初コメ失礼します！この作品めっちゃ面白いです！！続きがとても待ち遠しくなります！頑張ってください！応援してます！ (3月10日 17時) (レス) @page21 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キクラゲ | 作成日時：2024年3月6日 7時
