43話[過去編] ページ45
黒尾『…教えてくれてありがとうございます。』
養護教諭『うん。
…車まで鵠運んでくれた時も思ったけど、アンタは鵠の事が
よっぽど大事なんだね。』
黒尾『はい。大事です。
小さい頃から、ずっと』
素直にそう答えると、先生は安心したように笑った。
養護教諭『幼馴染か、なるほどね。
鵠が私と話してる時、先輩のアンタを何回か呼び捨てしかけてた理由が分かったわ。
…今日1日だけで鵠を大事にしてんのすげー伝わってきたよ。
私ももちろん支えていくつもりだけど、所詮は保健室のセンセーだからさ
きっとちっちゃい頃から一緒のアンタの方が、鵠は安心すると思う。
だからよろしくね。』
黒尾『＿っはい、もちろんです。』
養護教諭『うん、安心したわ。そんじゃーね。』
そう言って手を振る先生に一礼して、病室へ入る。
A『クロおかえり、何話してたの？』
黒尾『ん？お前の脚の事だよ。
俺らは骨折してたってのと、病院の場所しか聞かされてなかったからさ。』
A『そっかあ。
ねえクロ、研磨あのあと試合中何かあった…？
さっきからずっと俯いたまま表情暗くてさ…』
Aの言う通り、研磨は椅子に座って俯いたまま
ゲームをするわけでもなく、ただ黙っていた。
研磨『…ねえ、A。』
A『ん？』
研磨『Aはさ、もし二度とバレーできないってなったら
どうする？…バレー部、辞めちゃうの？
それとも…マネージャーになる？』
A『え…』
少しの沈黙の後、研磨はようやく喋りだしたと思ったら
Aにとんでもない質問を投げかけた。
黒尾『＿ｯ研磨、お前』
研磨『ねえ、どうする…？』
A『なんだよそれ…
や、やだなあ、研磨ったらそんな不吉な質問しないでよ。』
Aが戸惑うのも当たり前だ、こんな質問
普段冗談を言わない研磨の真剣な表情も相まって
遠回しに、もうバレーは無理だと知らされてるようなものだ。
研磨『…俺は、辞めてほしくない。』
黒尾『研磨、その話は終わりだ
…Aが困ってる。』
A『＿俺は、また絶対バレーするよ。
その為ならリハビリだって手術だって、なんでもする。』
Aは研磨の目を真っ直ぐ見ながら、そう言った。
研磨は一瞬驚いたような表情を見せるが、すぐに目を逸らし
研磨『…そっか。』
と、小さく呟いた。
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キクラゲ(プロフ) - ナノハナさん» ナノハナさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！(^^)更新頑張っていきますので、これからもぜひよろしくお願いいたします。 (3月11日 7時) (
レス) id: c522cf4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 初コメ失礼します！この作品めっちゃ面白いです！！続きがとても待ち遠しくなります！頑張ってください！応援してます！ (3月10日 17時) (レス) @page21 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キクラゲ | 作成日時：2024年3月6日 7時
