41話[過去編] ページ43
[黒尾 side]
試合終了後、コーチからAが入院することになったという事を聞いて
Aの荷物を届ける為に研磨と病院へ向かった。
黒尾『すみません、今日から入院の鵠 Aさんの病室を
教えて頂きたくて…』
受付『確認いたします、少々お待ちください。
…お待たせいたしました。
エレベーター上がっていただいて3階の302号室ですね。』
黒尾『ありがとうございます。』
言われた通りエレベーターで3階へと向かう。
研磨は消音でゲームをするわけでもなく、
ただただ黙って俺に着いて来ていた。
黒尾『えーっと、302は…』
ナースステーション近くの案内地図を見ていた時
ふと看護師同士の会話が聴こえてしまった。
看護師1『そういえば、先生
あの今日から入院の子にさあ…まだ言えてないらしいよ。』
看護師2『え、それ結構まずいんじゃない……？
変に希望持っちゃってから告げられるのキツいよ〜きっと』
看護師3『私あの子どっかで見た事ある気がすると思ったら
毎月弟が買ってるバリボーの先月の表紙飾ってた子だったんだよね。
男の子にしては髪長いしキレーな顔だったから記憶に残ってたわあ。』
看護師1『へえ〜ｯてことは相当有名な子なんじゃないの？
あれだよね、バレーの雑誌だよね。』
研磨『クロ、これって、Aの事だよね…。』
黒尾『…間違いなく、そうだろうな。』
会話の流れ的に、なんだか嫌な予感はしてた。
看護師3『そーそー
でも可哀想よねぇ…そんな将来有望な子が
もう二度とバレーできないなんて。』
黒尾『＿ｯあの、どういう事ですか！それ！！』
看護師『わ、びっくりした…』
研磨『クロ、声大きいよ……ここ病院…』
看護師たちはそれこそ最初は驚いていたが
途端にまずい、聞かれてしまったと言わんばかりの表情に変わっていった。
さっきのは、俺の聞き間違いであってほしかった
俺が早とちりしただけの、勘違いであってほしかった。
黒尾『すみません、大きい声出してしまって…
今日から入院になった、鵠 Aの荷物届けに来た
同じ部活の者です。
…Aが二度とバレーできないって、どういう事ですか。』
看護師『っご、ごめんねえ…私達
患者さんのご両親や親族じゃない方には
そういう説明はできなくって…』
黒尾『そうっすよね…すみません。』
研磨『…Aのとこ行こう、クロ。』
研磨の声にハッとして病室へ向かうが
正直、あんな話を聞いてしまった直後に
どんな顔をしてAに会えばいいのかわからない。
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キクラゲ(プロフ) - ナノハナさん» ナノハナさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！(^^)更新頑張っていきますので、これからもぜひよろしくお願いいたします。 (3月11日 7時) (
レス) id: c522cf4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 初コメ失礼します！この作品めっちゃ面白いです！！続きがとても待ち遠しくなります！頑張ってください！応援してます！ (3月10日 17時) (レス) @page21 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キクラゲ | 作成日時：2024年3月6日 7時
