検索窓
今日:19 hit、昨日:109 hit、合計:202,284 hit

38話[過去編] ページ40

順調に試合は進んで、終盤に差しかかった時



研磨『!…Aっ』


A『い゛ッ……』



黒尾『Aッ!!』



また、高く飛んで得点を決めた鵠が


コートで倒れ込んでしまった。




ザワッ


「鵠の奴、倒れ込んだぞ」


「え〜次世代の小さな巨人、もう見れないのかな〜…」




試合は当然一時中断。



慌てて観客席から立ち上がり

階段をおり、コートの方へ駆け寄る。




選手に囲われて、鵠自身はほぼ隠れてしまっているが



2年の黒尾_だったっけか

彼に背中を支えられながら座っていて


鵠の脚は、サポーターが捲られて

痛々しい紫色になっている患部が(あらわ)になっていた。



夜久『A、


最近やけに長いサポーターばっかつけてると思ったら…

そんな怪我…隠してたのかよ…』



猫又『福永、再開後からAと交代だ。

Aは一刻も早く、病院へ行きなさい。』


福永『ッ…!』コクリ



直井『きゅ、救急車…ッ』



鵠はこんな状況下でも尚、

慌てて119番しようとしてるコーチの服の裾を掴んで


最後までコートにいようとしてた。




A『…ッ大丈夫です、俺はまだ飛べます!!!』



黒尾『バカお前…ッ!

こんな脚で飛べるわけねーだろ!!なんで隠してた!』


A『クロ……でも、俺はッ_』


研磨『A、病院行こう。


俺…違和感に気づいてたのに、ごめん。

もっと早く、無理にでもAを止めるべきだった。』



A『違うっ…研磨は何も悪くない!!

俺が、黙ってたから…』


養護教諭『鵠。』


直井『!保健室の……』


A『あ…先生………ごめん、俺…

観に来てって言っときながらこんな、かっこ悪いとこ……』


その時の鵠の表情は、今にも泣きそうだった。


養護教諭『近くに病院あるから、行こう。


直井さん、私 車乗せていきますので

病院に連絡だけお願いします。


鵠、アンタはよく頑張ったよ。

ただちょーっと、てか、だいぶ?無理し過ぎだね?』


A『……はい。』



養護教諭『よし、そんじゃ誰か私の車まで_』


黒尾『俺が連れていきます。』


養護教諭『ありがと、じゃあ着いといで。』


私がそう言うと、


黒尾は 触れたら簡単に壊れてしまいそうな物を扱うように

優しく鵠を抱き上げた。





A『クロ………ごめん……グスッ……

俺………俺ッ__』


とうとう泣いてしゃくり上げる鵠に黒尾は


黒尾『大丈夫、大丈夫だ。

気づいてやれなくて、ごめんな…。』



そう優しく声をかけ続けていた。

39話[過去編]→←37話 ここから過去編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (171 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
876人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キクラゲ(プロフ) - ナノハナさん» ナノハナさん、コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!(^^)更新頑張っていきますので、これからもぜひよろしくお願いいたします‪‪。 (3月11日 7時) (レス) id: c522cf4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 初コメ失礼します!この作品めっちゃ面白いです!!続きがとても待ち遠しくなります!頑張ってください!応援してます! (3月10日 17時) (レス) @page21 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キクラゲ | 作成日時:2024年3月6日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。