38話[過去編] ページ40
順調に試合は進んで、終盤に差しかかった時
研磨『!…Aっ』
A『い゛ッ……』
黒尾『Aッ!!』
また、高く飛んで得点を決めた鵠が
コートで倒れ込んでしまった。
ザワッ
「鵠の奴、倒れ込んだぞ」
「え〜次世代の小さな巨人、もう見れないのかな〜…」
試合は当然一時中断。
慌てて観客席から立ち上がり
階段をおり、コートの方へ駆け寄る。
選手に囲われて、鵠自身はほぼ隠れてしまっているが
2年の黒尾_だったっけか
彼に背中を支えられながら座っていて
鵠の脚は、サポーターが捲られて
痛々しい紫色になっている患部が
夜久『A、
最近やけに長いサポーターばっかつけてると思ったら…
そんな怪我…隠してたのかよ…』
猫又『福永、再開後からAと交代だ。
Aは一刻も早く、病院へ行きなさい。』
福永『ッ…!』コクリ
直井『きゅ、救急車…ッ』
鵠はこんな状況下でも尚、
慌てて119番しようとしてるコーチの服の裾を掴んで
最後までコートにいようとしてた。
A『…ッ大丈夫です、俺はまだ飛べます!!!』
黒尾『バカお前…ッ!
こんな脚で飛べるわけねーだろ!!なんで隠してた!』
A『クロ……でも、俺はッ_』
研磨『A、病院行こう。
俺…違和感に気づいてたのに、ごめん。
もっと早く、無理にでもAを止めるべきだった。』
A『違うっ…研磨は何も悪くない!!
俺が、黙ってたから…』
養護教諭『鵠。』
直井『!保健室の……』
A『あ…先生………ごめん、俺…
観に来てって言っときながらこんな、かっこ悪いとこ……』
その時の鵠の表情は、今にも泣きそうだった。
養護教諭『近くに病院あるから、行こう。
直井さん、私 車乗せていきますので
病院に連絡だけお願いします。
鵠、アンタはよく頑張ったよ。
ただちょーっと、てか、だいぶ?無理し過ぎだね?』
A『……はい。』
養護教諭『よし、そんじゃ誰か私の車まで_』
黒尾『俺が連れていきます。』
養護教諭『ありがと、じゃあ着いといで。』
私がそう言うと、
黒尾は 触れたら簡単に壊れてしまいそうな物を扱うように
優しく鵠を抱き上げた。
A『クロ………ごめん……グスッ……
俺………俺ッ__』
とうとう泣いてしゃくり上げる鵠に黒尾は
黒尾『大丈夫、大丈夫だ。
気づいてやれなくて、ごめんな…。』
そう優しく声をかけ続けていた。
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キクラゲ(プロフ) - ナノハナさん» ナノハナさん、コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!(^^)更新頑張っていきますので、これからもぜひよろしくお願いいたします。 (3月11日 7時) (レス) id: c522cf4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 初コメ失礼します!この作品めっちゃ面白いです!!続きがとても待ち遠しくなります!頑張ってください!応援してます! (3月10日 17時) (レス) @page21 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクラゲ | 作成日時:2024年3月6日 7時