令和の巫女が、大正で剣士に転職する話。【鬼滅の刃】

第二三話『おじさん初めまして』 ページ24

『..........へ』



お前誰だと聞かれたら！！答えてやるのが世の情ゲフッゲフン(おい)。てゆーかそれはこっちのセリフだよ。おじさん、あんた誰。

小洒落た背広なんて着てさぁ...なんて思った時、ふいにおじさん(二十だったらごめん)の顔を見て何故かゾクッと寒気がした。

ドクンドクン、と心臓が波打ってこの人はアカンと脳が訴えている。あれ、この気配...人間じゃない。鬼なんじゃないのこの人。それもハゲ頭や自称モテ男並の鬼の気配じゃなくて...もっと禍々しい、こう骨の髄まで震えるような。

...とりあえず、



『おじさんワカメ頭やん』

「..........もう一回言ってみろ」

『とんでもございません素敵な頭(？)でございます』



待って顔が怖い。切実に顔が怖い。背中の後ろのどす黒いオーラがマジで怖い。.....え、確実にお前のせいだって？......おじさんもしかして頭の事気にしてたのかな！！

あははと笑顔を作る私をスルーして(え酷)、ふと私が着ている隊服を目で捉えた後苛立ったように口を開く。



「...はっ、お前忌々しい鬼殺隊のはしくれ共か」

『(違いますって切実に言いたい)』



その瞬間、首に圧力がかかったかと思うと息ができなくなって一瞬何が起こったのか分からなかった。

でも、さっきよりも近くにおじさんの顔があって、こいつに首を片手で絞め上げられてるんだとふいに気付く。



『ぐぁっ...ゴホッ、がっ...！！』

「死ぬ前に教えといてやろう...私の名前は鬼舞辻無惨。...哀れなものだな、この私に出会うとは」



この世のものとは思えないような、恐ろしい顔でニタリと口の端を上げて笑うものだから、こんな時なのに背筋がゾクッとした。

ダメだ、これはマジで死ぬやつ。一瞬でそう悟る。息ができなくて、首に彼の爪がギリギリと食い込んだ。

.....あれ、私何か呆気なくない？ここで死ぬの？こんなおじさんに首絞められて？？嘘でしょ？？

やだよこんな最後に見る顔がおじさんとか(最低)！！クソっ...こんなおじさんに殺されてたまるかｧｧｧｧ！！！

その時の私は...最初に言おう、バカだった。多分小学生並にバカだった。



『...らっ、ラーメンが空に浮いてる！！！』

「.........は？？」



多分、無惨とかいうおじさんも死ぬ寸前の女がこんな事叫ぶなんて衝撃的だったんだと思う。

何故か私の最後の力で指差した方向に振り返り、手の力が抜けて私は解放され、私はすぐさま全速力で逃げたのだった。






「......らーめんとは、何だ」

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