第二一話『まさかの一人で初任務』 ページ22
『ぐぁぁ......た、炭治郎、み、水......』
「だ、大丈夫かA...」
同じく素振りをしていたという炭治郎と、木陰で一緒に休憩。み、水が美味しい...生き返った...。
てゆーか何で私と同じ稽古してたのに炭治郎は息上がってないんだよ。炭治郎もチートかよ。鱗滝さんと同類かよ!!
心の中で炭治郎を恨みまくりながら瓢箪に入った水をゴクゴク飲んでいると、「でも、」と炭治郎が口を開いた。
「さっき、Aの剣先が鱗滝さんの羽織の裾にかすっていただろう?稽古の成果、出てると思うよ」
『これだから炭治郎は憎めないんだよ』
そんなまるで仏様みたいな優しい顔して言うんだからさ、思いっきり憎めないのよね!!クソッ!!性格まで良いんかい!!
私はとりあえず『そうかなぁ、』と返しておいた。
「そうだよ。...A見てると、俺ももっと頑張らなきゃ、って思うし」
そんな風に木に寄りかかって、くしゃっと笑う炭治郎。いやこれ以上頑張ってもらっちゃ困ると密かに思ったその時、ふいに空からバサバサっという騒がしい音が聞こえてきた。
『ん?何この「伝令!伝令ィィィ!天宮A、北東ノ町二向カエェェェ!初任務デアル、心シテカカレェェェ!!」......は??』
......その前に鴉が喋ってる件。
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―――――――
『やだやだやだやだやだァァァ!!!一人で任務とか私死ぬ!!今度こそ死ぬ!!一人寂しく死にたくないよ助けて炭治郎ー!!』
「Aならできる!!」
『なにその説得下手か』
...えー、どうも旅の直前で暴れている娘とは私の事でございます。えぇ。とりあえず荷物を全てまとめてさぁ行こうと鴉に引っ張られた時、私は気づいてしまったのだ。
え.......私、炭治郎いなかったら余裕で死ぬんじゃね???
「A、何炭治郎にいつまでも引っ付いているんだ。早く行け」
『無理無理無理無理無理』
さすが厳しい鱗滝さん...だけどそんな事でさぁ生きましょとなる私じゃない!!だって死にたくないんだよ私は!!!
すると、突然「A!」と今まで黙っていた炭治郎が私をギュッと抱き締めてきて。
『へ』
「...分かってる、本当はこんな事言うべきじゃないんだろうけど......どうか、死なないでくれ。また絶対に会おう。俺も、Aと一緒に頑張るから」
...炭治郎の声は、震えてるようにも思えたから。私は、そのままギュッと炭治郎を抱き締め返した。
第二二話『帰りたいよ』→←第二十話『もはや稽古のレベルじゃねぇ』
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みるく - 藻さん» いつも楽しみに......!?ありがとうございますっ、感謝感激です!!ですね、もしかしたらそうかも......(( でも無惨様がラーメン食べてるとこ想像したら...笑 (2020年5月1日 22時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - みるくさん» いつも更新楽しみにしてますよ!!下弦に探させたんですか………!!?ないのに……!?相変わらず人使い荒いですね…そんなとこも好きです、見つかんなかったから下弦解体しちゃったのか………? (2020年4月30日 21時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» そうです無惨様は悪くない(作者)!!本当にいつも読んでくださってありがとうございます、後日無惨様はらーめんとやらを下弦達に探させたとか何とか......。 (2020年4月30日 20時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - ら、らーめんとはなんだ……!!!?…………そうか、大正時代にラーメンないですもんね!!無惨様は悪くない!! (2020年4月30日 20時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» 分かってくださった方がいた(盛大なネタバレ)!!いや本当にありがとうございます、誰やねんこの人とか思われたらどうしようかと思ってました......。パワハラ会議ご本人様々じゃないですか...あかん......(下弦風)。 (2020年4月30日 19時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2020年3月31日 13時