【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第五十四訓 ページ5

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一言だけ告げて先生が反応するより先に走り出す。

というか、実際は全然先生の反応可能だったんだろうけど様子見？見逃してもらったのかな？
まぁ、とにかくそんな感じで行くことを許可してもらった。たぶんアレは許可なはず。


…これで私げんこつ食らったら全力で銀時達に八つ当たりしてやる。


玄関先には銀時がなにか企んでいるとわかった時
「もしも」のために前もって立てかけておいた私の使い古した木刀が置いてある

まぁ最初から銀時が企んだことなんてロクな事ではないとは思っていたし
実際、その通りだった訳だが我ながら用意周到すぎやしないかと思うんだ、うん。

玄関先で月光を浴びていた木刀を握り、履きなれた草履を流れるように履いて そのまま玄関先を通り過ぎる。


歩ける程度に整備された砂利道を小走りで進み、そのまま士族の住宅街までたどり着く。

そこは全速力で駆け抜けろよと思う人もいるだろうけど…
悪いがやる気のなさはここでも健在。
なにより生死の緊急事態でもない、馬鹿達が馬鹿やるの止めるだけ。

加えて、たぶん銀時が外に出たのは私が部屋を訪ねる数分前だと思う。
その少し前に欠伸をしてフラフラと、のらりくらりと廊下を歩く姿を見たから。

それに役人もガキ見つけただけで抜刀なんかしないよ。
場所も場所、士族の住宅街…士族の子供の可能性があるのに即斬り捨てはしない。


だから ここからは人の目に付くのを避けることを優先して瓦屋根の上を走る

…にしたって玄関先で、下駄か草履かで音は立てにくいから草履を選んだけど…
瓦屋根を走っていて、気をつけてる訳では無いのに、面白いくらい無音で走る自身に少し驚く

忍者みたいで笑える、凄くない？


今は…たぶん子の刻の正刻…0時くらい。
夜中というのが正しく、薄暗く５０メートル先もよく分からない。

けれど２、３００メートル先にぼんやりとオレンジ色の灯りが見えた


たぶん、役人が持ち歩いている提灯の光
段々とこちらにゆっくり動いているのが見える。

…と、なると まだバカトリオと役人が鉢合わせていなければ
私の現在地点から灯りまでの中間地点に3人はいる？


「あー…ったく。世話焼ける兄貴分共だこと…！」


「小走り」から「走る」にスピードを変更てをたがやはり足音、いや物音ひとつ鳴りはしない
代わりに本音という名の文句を堂々と口にする。本当に年上か？アイツら…



真っ直ぐ前に進んでいるとジリジリと近づいていく灯りとの距離

=馬鹿たちとの距離

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