【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第六十訓 ページ11

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寒気にも似た感覚に汗が伝う


確証もない、でも一度「そうなんじゃないか」と思ってしまった
それだけで拭い切れない焦燥感が内から湧き出して私の歩くスピードをどんどん上げていった。


最初の内は何言ってんだと言わんばかりだった二人も
私のスピードに合わせて進んでいくうちに顔色を変化させていく


火事は全焼で３０ｍ位焦げ臭い異臭が広がる
それを基準に考えると私たちが走っている位置からして…



ほぼ、確定じゃないか


「っ…先行く！！！」


灯りが、轟々をうなるような音が近づく

それはなんとなく聞き覚えがある気がした
って、あぁ…私の村焼かれたって言ってたっけ…？


火難の相に見舞われ過ぎではないだろうか？

故郷も今の家も火に焼かれるのか
最早私のせいじゃないかと思うレベルだな


2人を放って走り抜けていくと灯りの元に着く。
予想通り燃えていたのは寺子屋


そして見慣れぬ装束の御徒衆に連れられ去っていく先生の背中

後ろ手に縛られ、どう考えてもいい状況ではない。
しかも、寺子屋の目の前で頭から出血した銀時も抑え込まれている。

その周りには何人か御徒衆が倒れ伏してピクリとも動かないが
そいつらは誰が…先生が？それとも銀時が？


思わず立ちどまり呆然と視界に映るもの達に視線をさまよわせた
あぁもうっ、理解が追いつかない。

なにごと？なにがどうしてこうなっただよ。
前触れはあったか？

きっと政府に関連する奴らだけど…なにか動きはあったか？
あーっ、もう。いつから気を緩めてた



とにかく、とにかくっ




「コイツら、殺さなきゃ」



我ながら物騒。でも自然とこう考えてしまった

これが夜兎としての本能、思考回路なら本当に勘弁して欲しい
日頃自分が言ってる「平穏に静かに、面倒事はしない」に反しすぎてる



でも今はそんなこと言ってらんないよね

やるっきゃない


銀時が持ち出したのか、私の刀は銀時の刀と一緒に押収されているが
私の鎖鎌は傍らに布にくるまれたまま放り出されている


拾える
あとは、扱えるか？



考えながら、少し弱気になった
だって一度もちゃんと使ってない物をこんな場面で使わなきゃならないなんてね

それでも走り出した。


一番近くの御徒衆は私の存在に気が付くと錫杖のような武器を振るいあげた


私は転がるように最初の一撃を避けつつ、鎖鎌に手を伸ばす

鎌の持ち手部分を握ると布がめくれると
ジャラララと装飾品のチェーンと比べたら重々しい音と共に鎖が垂れ落ちた。

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