十九話 ページ20
驚きすぎて正直言葉が出てこない。
こんなに真剣な顔で告白？された事なんて、人生で一度だって無いし、
まだ会って間もない彼が、僕にこんな事を言ってくるのが意外すぎて、
「あ、ありがとう。長谷部････」
「困らせてしまっている事は理解しています。 今すぐに答えが欲しい訳ではありません。 これから共に過し、俺を見定めて頂ければと思います」
深く頭を下げた長谷部は、それだけを言って部屋を出ていった。
一人残された広い部屋。
長谷部が出ていった襖を見て固まる僕。
前任に夜伽相手をさせられていた刀剣達。
多くの刀剣が被害にあっている訳だから、自分一人で抑えようと剪定を打ってきたと考えるのが妥当だけど。
どうも、さっきの言い回しと表情は違う気がしてならない。
それに、
「三日月って････どうして、宗近兄ちゃんが出てるんだ」
答えも、正解もない問題が審神者一日目でふってきた。
何時も笑って、周りのご機嫌取りをすることしか無かった僕には抱えたことのない問題で頭がパンクしそうだ。
「はぁあ、どうしよ････」
〜長谷部side〜
つい言ってしまった。
まだ会って間もない主に、あんな事を。
「やってしまった」((ﾎﾞｿｯ
俺が言った言葉を聞いた主は、ずっと口を半開きにして固まっていた。
冗談だろ？と話を流そうとされたが、
「言い切ってしまったしな････」
どうしても、三日月と主の距離の近さが許せなかった。
何故だか分からないが胸がザワついた。
夜伽相手でもいい。
近衛だって完璧にこなしてみせる。
一番近くに置くのは、三日月宗近では無く、俺を選んで欲しい。
そんな事を考えてしまった。
今までの審神者にだって、こんな感情を向けた事は無かったと言うのに。
「どうした、長谷部よ。随分と怖い顔だな」
縁側を歩いていると、茶を啜る三日月に声をかけられた。
隣には、こんのすけが座り、汚れたタオルを隣に置きにこやかに笑っている。
「何でもない。 それより、掃除は終わったのか」
「勿論だ。 狐と共に庭を綺麗にしたさ。な、狐よ」
「ずっと休憩をしようとするので、本当に大変でした。」
「そうか」
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