【世界一初恋】貴方の瞳に映らなくても【男主】 (ページ6)

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6話ページ6

「詳しく聞こうか、その話」

「え、いや。無理です」

「西岡A！！」

「はい！」

「こい！」

「はい！！」

まるで軍隊かと思わせる高野さんの迫力に、自然と返事をしてしまった僕は、結局部屋へと上がることになった。

アニメで見た高野さんの部屋。

あの時と違うことと言えば、匂いがすることだ。

高野さんの匂い。

あぁ、しんどい。

「それで、さっきの"好きな人"って話だけど。なに？」

「え、いや･･･あれは･･･」

どう誤魔化すか考えてみるが、良い言い訳が思いつかず頭がキャパオーバーを知らせてくる。

「お前の履歴書見たんだけどさ。お前、俺と高校同じだろ」

「え？」

「因みに言えば、大学も同じだな。学部は違うけど」

ちょっと待ってください。

此処が世界一初恋の世界である事に気づいたのが本日。

そのトリガーとなったのは、俺の初恋相手高野政宗。

大学まで同じだったなんて。

今の今まで会わなかったとか一体何事ですか？

「そ、そうなんですね･･･」

「シラきんの？」

「いや、真面目に知らなかったんで責めないで下さい。」

本当に知らなかったんだ。

知ってたら、記憶が蘇っていれば、小野寺さんがいない間、僕が高野さんの傍にいたのに！！

大学時代のちょっとグレてる時を見たかった！！

「それで話戻すけど、俺の好きな奴が何だって？」

「いや、それは････」

流石に今日一日で小野寺さんとの関係に気づきました！はキツいよな。

と言っても言い訳出来るネタが何も無い。

「これだけイケメンなら、恋人とか居そうだな〜って」

「････。俺、冗談とか好きじゃねぇんだけど」

「すみません」

口を開けば馬鹿な事しか出てこない。

ここは腹を括るしかないか。

「高校時代、小野寺さんと良い雰囲気だったの知ってて。今日部署にきたら、二人が同じ場所で働いてたので、そういう関係なのかと思いまして。」

「高校時代、俺の事知らなかったんじゃなかったっけ？」

「すみません。嘘つきました。あ、でも大学は本当に知らなかったんですよ！これは本当です！！」

「でもさ。俺、高校の時と今の苗字違うけど？何で俺だって分かったの？」

「えっと････」