【世界一初恋】貴方の瞳に映らなくても【男主】 (ページ5)

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5話ページ5

電車は既に無いから、この辺でホテルを探して。

服は仕方ないからホテルで洗ってもらって。

『Aちゃん大丈夫？』

「あ、うん。大丈夫だよ。悪いんだけど、明日ポストに鍵入れといて貰っていいかな？」

『うん！分かったわ！でも、今日はどうするの？』

「どうせ残業で帰れそうに無かったから大丈夫だよ。それじゃあ、電話切るよ。夜遅くにごめんね」

『いいのよ！お仕事、無理しないようにね！』

「うん、ありがとう。おやすみ」

((ﾌﾟﾂﾝ

切れた電話越しにため息を着く。

今日は色々と衝撃的な事が多い日だ。

けれど、最後にとんでもない爆弾を落とされたな。

「兎に角、ホテル探すか」

荷物を持ち直し、思い当たるホテルに電話を掛けようとした。

その時、

「お前、何してんの」

「あ、、、」

いつの間にか扉の前で腕を組みいらっしゃった高野さん。

あの表情からして、今の会話聞かれてたよな。

推しと気まづくなる率高くね？

「今から買い出しに、、、」

「話聞いてたから」

「ですよね」

沈黙が続く。

これ以上気まづくなるのも嫌だし、タクシーが捕まらないと流石に困るので僕は口を開いた。

「タクシー捕まえないと何で、僕はこれで失礼します。遅刻とかしないので、ご心配なく。それでは失礼します。」

軽く頭を下げて立ち去ろうと歩き出すと、後ろから伸びてきた手が僕の頭を鷲掴みにした。

「あの････」

「俺ん家こい。 1晩くらい泊めてやる」

今のは空耳だろうか。

俺ん家に来いって言ったか？

僕は小野寺さんじゃないんだぞ？

「結構です」

手を振り払って高野さんから視線を逸らす。

何故かムカムカするこの感情の正体が分かっているからこそ、気持ちが止まらない。

「何怒ってんだよ」

「怒ってませんし、軽率に人を家に招くのは如何なものかと思います」

「何言ってんの、お前」

「だから！好きな人がいるクセに、こうやって人を家に招くなって言ってるんだ！」

「は？」

しまった。

そう思った時には遅かった。

高野さんの表情が凄く険しくなっている。

あぁ、終わった。