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その後、私の地元に連れてきてもらって突然のことだけど元いた学校の先生方と生徒達にお別れを告げた。
仲良かった人達はもちろん、たまに喋ってた子達も涙を流してくれた。
…そんなに泣かなくてもいいのに
私たち一行は学校を出て実家に向かった
母「はい?」
インターホンを鳴らすとたまたま家にいたお母さんが返事をした
「お母さん、私」
母「あら、A学校は?」
「行くよ。転入するの」
母「え、どうしてそんなこと言ってなかったじゃないの」
「だから今言った、寮生活になってしばらく…いやもう会えないかもしれないからお別れ言いに来た」
母「どこの高校に…」
「自分自身を高める高校、自分自身が強くなれる高校」
母「…そう、Aが楽しめる場所だったらお母さん、喜んで賛成するわ。
貴女からそんなこと言われるなんて思わなかった…
行きなさい、自分自身を越えられる高みの頂上まで
…お父さんならこういうかしら」
インターホン越しの会話、五条さん曰く「呪術師はいつ呪霊に殺されるか分からない」と言っていた。
そんな危ない世界に足を踏み出そうとしてるんだ
…だから、最後にもう一度だけ顔を見たくて
何故か開いていた家のドアを開けた
母「…行ってらっしゃい、きっと貴女もお父さんと同じ道にいこうとしてるんでしょう?貴女は必ず生きなさい
向こうでも頑張るのよ」
そこには、玄関でお淑やかに立っているお母さんの姿。
…お母さんは全てに気づいていた
私のお父さんは私が生まれて間もない頃、息を引き取った。
だから私にお父さんの記憶はない…だけどお母さん曰く"見えないものに先陣を切って戦う強い人"だったらしい。
…それが今になってようやく分かった。私のお父さんは呪術師だった
「あり、がとう…」
お母さんの優しい笑顔に見送られ涙で顔を濡らしながら五条さん達のところに戻った。
五条「おかえり、どう?お別れは上手くいった?」
「…お母さん、泣いてないかな」
五条「…同じ過ちを繰り返したくないはずなのに娘のことも送り出すとは、随分と芯の通ったお母さんだこと」
「…え?」
五条「ごめんね、盗聴器付けちゃった」
どこまでもやることがクズなこの男に着いていくのは少々気が引けるけど、
「…他言しないんだったら許します」
五条「しないしない!
…多分、わー!ごめんってそんな怖い顔しないで!」
まぁ、いいか。
これもこれで悪くないかも
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作者名:みゅち | 作成日時:2021年2月23日 12時