長男と長女 ページ6
「私の家に来てください。そこで全て、お話ししましょう」
鬼舞辻無惨を抹殺──と、この女性は言った。
そんな鬼がいるなんて、今まで思いもしなかった。
だが禰豆子のような例があるし、あながち全くありえない話では無いのかもしれない。
「あっ……待ってください、俺の妹を──禰豆子を迎えにいっても良いですか?」
炭治郎がどこか申し訳なさそうに言う。
「ええ、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます!A、行こう」
始終男の人に鋭い視線を向けられながら、炭治郎とAは先程のうどんの屋台に向かった。
「どういうことだと思う……?鬼舞辻無惨に歯向かう鬼なんて」
Aが炭治郎の意見を聞こうと尋ねる。
「まだいまいち分からない……だけど、あの人達からは、悪い匂いはしなかった。……あ、そうだ」
炭治郎が思い出したように、話を変える。
「ずっと思っていたんだけど、Aはかなり勘が鋭いんだな!鬼が現れたのに気付いたり、咄嗟の判断ができたり」
「生まれつき、しょっちゅう『ビビッと』来るのよね。炭治郎の鼻も凄いと思う!」
嗅覚に優れた少年、第六感に優れた少女。
その能力が今後かなり役に立っていくであろう事は、言うまでも無いだろう。
「それにしても、さっきまでフラフラしてたのにもう元気なのね」
「あぁ!俺は長男だから、頑張らないといけないんだ!」
予想の斜め上の答えに、Aが一瞬驚愕する。だが自分も
「そっかぁ!私も長女だし、頑張らないとね」
「Aも一番上なのか!一番上は大変だよな」
「本当にね」
そんな“一番上会話”に花を咲かせていると、突然大声が聞こえてきた。
次に、先程のうどんの屋台が目に入ってくる。
「俺はな!!俺が言いたいのはな!!金じゃねえんだ!お前が、俺のうどんを食わねって心づもりなのが許せねえのさ!!」
「……!?」
見ればうどん屋の店主が、大人しく待っていた禰豆子に怒鳴り散らしている。
「まずその竹を外せ!何だ、その竹!?箸を持て箸を!!」
怒り心頭の店主。
すると、炭治郎はずんずんと歩み寄り、店主の持っていた箸をガシィ、と掴んだ。
これには店主だけではなく、Aも驚きの表情になる。
だが次の瞬間、炭治郎が凄い勢いで完成したうどんをすすり始めたのを見て理解した。
「箸、ください!」
Aも受け取った箸で、炭治郎には劣るものの充分な勢いでうどんを食べ始めた。
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ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました!応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2021年8月19日 21時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました!これからも頑張ってください、応援してます! (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます! 褒め上手すぎませんか!?とっても嬉しいです……!!読みやすいと言っていただき安心しました!応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります!! (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します!とても読みやすくて内容がスッと入ってきました!こんな小説初めてです!とても応援してます!主さんのペースで頑張って下さい!!!次のお話も楽しみにしてます! (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして!本当ですか!?読み返していただきありがとうございます……!楽しんでいただけて良かったです! イラスト可愛いですよね!応援とても嬉しいです!更新頑張りますね! (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒメアミ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時:2021年1月21日 21時