許さない ページ4
今にも女性に襲いかかりそうな男性に、炭治郎が必死に叫ぶ。
「やめっ……！！」
炭治郎とAは男性を止めに入ろうとするも、人混みに阻まれ、うまく身動きが取れない。
「キャアアアッ！！」
男性が、女性の肩に噛みついてしまった。
「キャーッ！」
「あっ！」
「どうした！？」
「血が──」
周りの人混みの注目が、一斉にそちらに向く。
その隙に二人は人混みから素早く抜け出した。
炭治郎が助走をつけて跳び、男性を抑えにかかる。
「危ないです！皆さん離れて！！」
Aはそう叫びながら、肩から血を流す女性のもとに駆け寄る。
「あなた！！」
「奥さん、こちらよりも自分の事を！！傷口に布をあてて、強く押さえてください！──A、奥さんの傷を頼む！！」
「分かった！」
Aは頷いて返事をすると、大きめのハンカチを取り出して女性の肩の血を拭った。
「大丈夫です、あなたの傷は深くありません！あの人も絶対に何とかしてみせます！」
女性を安心させるように、Aが言う。
目の前で大事な人が鬼になり、しかも襲われたのだから、その衝撃はかなりのものだろう。
「麗さん、危険だ。向こうへ行こう」
無惨はこの騒動に紛れて姿を消すつもりなのだ。
逃がしてたまるか──だが、怪我をした女性の手当てが終わっていない。
急いでハンカチを傷口にあてて、その上から少し残っていた包帯を巻き付ける。
次の瞬間、炭治郎が怒りの詰まった声を張り上げた。
「鬼舞辻無惨！！俺はお前を逃がさない、どこへ行こうと！！」
炭治郎も男性を抑えるのに必死で、身動きが取れないのだ。
「どうしたのかしら、あの子……ねぇ、月彦さん」
麗と呼ばれた女性の言葉に、無惨が言葉を返す事は無かった。
炭治郎の耳に揺れる花札のような耳飾りに、目が奪われていたからだ。
「地獄の果てまで追いかけて、必ずお前の頸に刃を振るう！！絶対にお前を……許さない！！」
炭治郎が無我夢中で叫ぶも、周りの人達からは不思議そうな目で見られる。
「少し離れていてください！！」
女性の手当てが終わり、Aが立ち上がった。
人混みをかき分けて、無惨の後ろ姿を必死に追う。
「待て──この臆病者！！許さない！！」
だが、無惨の姿は見当たらない。既に姿を消してしまったようだ。
家族の仇を逃してしまったどうしようもない悔しさに、Aが顔を怒りに染める。
だがすぐに炭治郎の事を思い出し、急いで炭治郎のもとに走り出した。
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ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました！応援ありがとうございます、これからも頑張ります！！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました！これからも頑張ってください、応援してます！ (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます！ 褒め上手すぎませんか！？とっても嬉しいです……！！読みやすいと言っていただき安心しました！応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります！！ (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します！とても読みやすくて内容がスッと入ってきました！こんな小説初めてです！とても応援してます！主さんのペースで頑張って下さい！！！次のお話も楽しみにしてます！ (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして！本当ですか！？読み返していただきありがとうございます……！楽しんでいただけて良かったです！ イラスト可愛いですよね！応援とても嬉しいです！更新頑張りますね！ (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメアミ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時：2021年1月21日 21時
