矢印鬼 ページ15
その時、男の鬼──矢琶羽の攻撃で飛ばされた禰豆子が、こちらに飛んできた。
「禰豆子ちゃん！」
炭治郎が慌てて禰豆子を受け止める。
「さぁ死ね！」
朱紗丸が力一杯に投げた鞠を、炭治郎は転がって間一髪で避けた。
「おい、鬼狩り共！お前らはまず矢印の男をやれ！鞠の女は俺達と妹で引き受ける！」
「分かりました！！」
確かに、その体制で戦うのが最善策かもしれない。
Aが素早く矢琶羽のもとに寄る。
「……チッ、鬼狩りの娘め……儂の傍に寄るな」
矢琶羽の掌の目が、バチンと瞬きした。
それと同時に、Aの体が浮く。
凄い勢いで、家を囲う塀に背中から激突した。
痛みが背中から全身に伝わる。
「痛……！」
「A！」
炭治郎が駆けてきた。
「汚らしい餓鬼どもめ……」
矢琶羽はさも不愉快そうに舌打ちすると、両の掌の目を瞬かせた。
Aの足下に、大きな矢印が浮かぶ。
(まずい……技から抜け出さないと！)
「伍ノ型──花時桜流し！」
矢印とは反対の方向に飛び出す。
だが、飛んできた炭治郎と勢いよくぶつかった。
「ああああ、ごめん！！」
「大丈夫！？」
お互い慌てて謝りまくるが、勿論敵がそんな隙を見逃してくれる筈もなかった。
掌の目の瞬きと共に、二人の体が浮き上がった。
炭治郎の体は木にぶつかって地面に落ち、Aは斜め上に浮かび上がり始めた。
このままでは、間違いなく木にぶつかる。
矢印は羽織についている。
素早く羽織を脱いだ。
矢印がなくなれば、当然重力に逆らうことは出来ずに地面に落ちていく。
咄嗟のことだったので、Aはそれを考えに入れていなかった。
「陸ノ型──徒桜・花曇り！！」
反射的に技を出す。
体を回転させることで、回転に合わせ様々な方向を斬ることができる技だ。
今回は地面に、集中して何度も斬撃を入れる。
尻餅をついたが、無事着地した。
「朱紗丸よ、そちらにいるのは“逃れ者”の珠世ではないか。これはいい手土産じゃ」
「そうかえ」
そう返事をする朱紗丸が、鞠を放つ。
禰豆子は蹴り返そうとするが……
「蹴っては駄目よ！！」
珠世の忠告の直後、禰豆子の右足が鞠で吹き飛ばされた。
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ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました！応援ありがとうございます、これからも頑張ります！！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました！これからも頑張ってください、応援してます！ (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます！ 褒め上手すぎませんか！？とっても嬉しいです……！！読みやすいと言っていただき安心しました！応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります！！ (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します！とても読みやすくて内容がスッと入ってきました！こんな小説初めてです！とても応援してます！主さんのペースで頑張って下さい！！！次のお話も楽しみにしてます！ (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして！本当ですか！？読み返していただきありがとうございます……！楽しんでいただけて良かったです！ イラスト可愛いですよね！応援とても嬉しいです！更新頑張りますね！ (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメアミ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時：2021年1月21日 21時
