9話 ページ12
退屈と男が嫌いな私は昔
タオルを自分の首にかけて
自死しようとしたことがある
要は首吊りだ
だが運悪く(運良く?)すぐに見つかり
先生の元に運び込まれた
2日後に目覚めた私は
ニコニコと笑って良かったと言う先生に
向かって怒鳴りつけた
「どうして助けたの!死なせてほしかったのに」と
先生は驚いていた
その隙に私は繋がれていた点滴を抜き取り
そのチューブ?を自分の首に巻きつけようとした
それを慌てて先生に止められた
「落ち着いて」
「嫌だ、死なせて」
の繰り返しの末に先生に何かを打たれた私は意識を失った
今考えれば、睡眠薬か安定剤か・・・はたまた両方か
とにかく私はしばらく意識が無かった
次に目覚めた時には誰も居なかった
これは好都合とばかりに
私は点滴を引っこ抜いて
ふらふらと窓辺まで歩いて高さを確認
2階くらいか、これは無理そうだなぁと
外を黙って見て居たら先生が戻って来て
私が窓のそばにいるのを見て持っていた物を落として
私の元に走ってきた
「近づかないで」
「わかった」
「・・・今度は止めないんだ?」
「止めたいよ。だから僕はこれ以上近づかないんだ」
「今は中断してあげる。君と話すのは退屈凌ぎになりそうだ。このままの距離を保って下がって。ベッドに戻りたい」
「わかった」
これが私と先生の初めて交わしたまともな会話
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泉 - とても良かったです! ありがとうございました😄 (10月5日 20時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2023年3月5日 21時