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開口器と愛 Lee・Seung-gil ページ41

「…ッ」

彼女は僕を睨んだ。

喋れないまま。

「どうしたんだ?」

「…ぐ,う,」

無理やり外そうとすればするほど混乱して酸素が頭に回らなくなる。

「何言ってるかわからないよ はっきり喋れA」

これは おしおき だ。

「…ふ,ぐぅ…ッ」

ぼたぼたと垂れる涎が彼女のグレーのパーカーワンピースに丸い模様をつけた。

「A」

「…ッ」

アーモンド形の大きな瞳が俺を鋭く見つめる。

「返事は?」

「…」

ふい、と横を向いた彼女の後頭部にまわる革のベルトが擦れて しゅ、という音が何も無い部屋に聞こえた。

「A?そうやってすぐに怒らないでよ」

ため息を零すと お前のせいだ と言わんばかりに僕をひっかこうとした。

愛犬が不思議そうに彼女を見上げては くぅ、と鼻を鳴らした。

「あ,あ…」

僕の服を引っ張って喋れないまま口を指さして眉間にしわを寄せた。

「外してほしい?君は僕を裏切ったくせに?」

裏切った… 俺を捨てて1度出ていこうとしたことだ。
何に不満を抱いているのかは知らないがこの間夜中に手紙を残して出ていこうとしていたのだ。それが許せないのだ。

「…」

バツが悪そうに目をそらした彼女からベルトを外すと何度か息を呑んでから縛られた脚を揺らした。

「アンタなんか警察に突き出してやる!そうね…明日の新聞の見出しはこうかしら? 韓国のイ・スンギル,暴行容疑で逮捕 」

「別に逮捕されてもいいよ」

だって

俺は 出てこれるまで君が利口に待っててくれると信じてるからね。

消えろ太陽 Leo・de・la・Iglesia→←けもののめ Otabek・Artin



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作者名:Ψ | 作成日時:2017年3月26日 22時

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