ファインダー Jean･Jack･Leroy ページ5
彼女の趣味は写真撮影｡
｢…ジャン｣
｢どうしたんだ?A…｣
ぱしゃ、という音と共にカメラのファインダーから目を離した彼女は口を開けて笑った｡
｢あはは,この無防備な顔いいね!｣
ほら、と見せてくれたけれどあんまり見たくない｡
｢良くないだろ?かっこよくない｣
｢私はかっこいいジャンも好きだけどかっこよくないジャンも好き!｣
消そうとすると ひょい、と腕を上げて逃げてしまった｡
｢A,｣
｢なに?｣
｢いきなりそういうのは良くない…｣
顔を覆った俺を見て再び ぱしゃ、という音が聞こえた｡
｢うん,いいね かわいい｣
へらへらと笑って首から下げたカメラから手を離した｡
｢A,こっち来て｣
膝を軽く叩くと頷いて俺の上に座った｡
｢…?これで?｣
｢ん?眠くならないのか?｣
撫でていた手が止まった｡
｢嗚呼…それなら少し眠い｣
カメラを机に置いて俺に体を預けた｡
｢おやすみ A｣
｢ん…｣
_
彼女がすやすやと心地よい寝息を立てて膝の上で寝た｡
｢…今かな｣
寝づらいだろう と膝枕にしてやったのが正解だ｡
｢これは…こうか,｣
JJは完璧だからな なんでも使いこなせるぞ なんて彼女の前だったら言うかもしれないが今はひとりだ｡
彼女の寝顔をファインダー越しに見つめた｡
｢…ん,?…あ｣
｢…あ｣
寝ぼけ眼で俺を見つめた彼女を撮影してから頬をなでてやった｡
｢…今の私かわいくないよ｣
｢俺はかわいいAもかわいくないAもだいすきだぞ?まぁ かわいくないAは居ないけどなぁ｣
彼女は何故か悔しそうに顔を顰めた｡
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作者名：Ψ | 作成日時：2017年3月26日 22時
