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HUG ME Pichit・Chulanon ページ38

Prrr..

「あ,もしもし〜?」

「あ,A?」

「うんうん,私」

「なになに?どうしたの〜?」

「5月2〜5日なんだけどさぁ,私そっち行くから」

「仕事は?」

「ないよ,大型連休なんだもん。」

遠距離恋愛をしている私達は大型連休や有給を使ってお互いの国を行き来している。

「あ,そっか!」

「そうだよ何いってんの」

あはは、と楽しそうな笑い声を聞いて少し安堵の息を吐いた。

「ピチット,」

「ん-?なになに?」

「…なんでもない,会えるの楽しみにしておくね」

浮気されてても一番が私なら良いよ なんて言おうと口を開いて辞めた。

「僕も楽しみにしておく!部屋片付けなくちゃ」

彼の声を耳に残して通話を終わらせた。
私も残った仕事終わらせなくちゃ…

「…は-…」

「Aどうしたん?」

「いや…彼氏と久しぶりに会うんだけど緊張してきた…」

同僚にそう呟くと どこに住んでるの? なんて聞かれてしまった。

「タイだよ,スケートしてんの」

さらさらの黒い髪を思い出して私はため息をついた。

「へぇ…」

「コンニチハ〜!Aいますカ?」

たどたどしい日本語がオフィスに響く。
先ほど聞いたばかりの声だ。

「…ピチッ…えっ,?」

「A-!会いたかったよ〜!」

「いつ来たの,?」

「2時間くらい前だよ?あの電話は飛行機の中でしたんだよね-」

ドッキリ大成功! なんて言いながら私の肩を抱き寄せて写真を撮った。

「…は…やばい泣けてきた…」

「え,泣かないでA!ハグする?」

「…する」

「A甘えすぎやで…ここ職場やん…」

同僚の言葉など耳に入らない。


ぎう、と抱きついた彼はいつも私を笑わせてくれる素敵な彼だ。

おにく。 Yuri・prysetwki*→←強気と涙 kenjiro Minami



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作者名:Ψ | 作成日時:2017年3月26日 22時

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