ファン Yuuri Katsuki ページ4
あ,いたいた。
やっぱ身長低いと損だな。
「…」
見えるかな,見えるかな。
一生懸命手振ってるけど私はただの ファン だから。
「…ふふ,本当かっこいい…」
頬を両の手で抑えて黒髪の彼をみた。
あ,こっち見た? やだ目合っちゃった。
「ッひゃ?!」
後ろから警備員さんが押す。通行の邪魔ってことかな。
前に押されたおかげで勝生くんが近くなった。
「あ…」
ファンの塊にどんどん前に押された。バランスを崩した私はそのまま勝生くんの足元に転んでしまった。
恥ずかしいし,なんか最悪だ。
ヴィクトルコーチにも見られちゃって笑われたし…。
ファンの人達も手を振ったりサイン貰ったりするのに必死なのか私のことなんか誰も気に止めてない。
「だッ,大丈夫?ですか?」
「…ッ,あ,うん…はい…!」
慌てて頷くと よかった。 と私に手を差し伸べた。
その瞬間にファンの声が消えた。
「すいません,ありがとうございま…」
私が手を掴むと黄色い歓声だったものが悲壮の含んだ声に変わった。
「えっと…いつも来てますよね?ありがとうございます」
「…おぼえててくれた…んですか?」
目を泳がせてしまうと さっきぶつかっちゃって頬赤くなっちゃってるから冷やしてください なんて私の頬を指さした。
「…ありがとうございます…ごめんなさい勇利くん,」
「いえ,大切なファンなので 」
ファン という言葉に胸がいたんだ。
ファインダー Jean・Jack・Leroy→←アレキサンドライト Otabek・Artin
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作者名:Ψ | 作成日時:2017年3月26日 22時