先輩と! Emil･Nekola ページ27
｢こんにちは エミルくん｣
にこやかに挨拶をした彼女は長い髪を鬱陶しそうに払って俺の前を通り過ぎた｡
先輩だけど何だか可愛がりたくなるようなサイズ感だ｡
｢…｣
｢…どうしたの?｣
思わず俺が先輩を凝視してしまったのが不思議だったのか首をかしげて俺の顔をのぞき込んでいた｡
｢い,いや…｣
｢そう?ならよかった 私これから教授に会いにいくからもう行くね｣
ひらり、とシースルーのスカートを翻して小さく手を振った｡
｢…ｯは-…｣
正直彼女は心臓に悪い｡
それはもちろんいい意味で｡
｢…あ,__くんこんにちは｣
知り合いが多いのかすれ違った人に何度か挨拶をしてやっと建物の中に入っていった｡
｢やっぱ モテるんだろうな｣
かわいいし,性格もいいし,頭もいいし｡ なんて心の中でつけ足して予定も何も無い午後の暇をもてあますように先輩が入った建物へ足を向けた｡
｢教授 ご要件とはなんですか?｣
｢嗚呼 Aちゃん可愛らしい顔してるねぇ…｣
｢…はァ,｣
声が聞こえる｡
先輩の声はどこか面倒くさそうな声だ｡
｢…ｯ｣
｢それでこれはわかるかい?｣
｢…ｯい,いえ…｣
先輩…Aは何をしているのだろう｡声が強ばっていて少し不安だ｡
｢…A｣
教授に後ろから抱きつかれて何かを読んでいる彼女の手を掴んでわざと下の名前でよんだ｡
｢…エミルくん,｣
縋るような瞳で俺を見上げた彼女を目の前の男から離して肩を抱いた｡
｢…ごめん ありがとう｣
｢…ｯ…あ,｣
俺は多分力なく笑った彼女の声音が忘れられなくて,最近何だか落ち着いて行動が出来なくなった様だ｡
問題児&問題コーチ Viktor･Nikifolov→←合コン強制参加女子 Yuuri Katsuki
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作者名：Ψ | 作成日時：2017年3月26日 22時
