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🌕EP.196 ページ31

この時間帯はどこにいるだろうか?

とりあえず、団長室を目指す。

その途中の通路で、話している男女に出会(でくわ)した。

それを無視して、団長室をノックした所で、

「何か用か?」

と後ろから声がかかり、振り向いた。

どうやらさっき通路で女性と話していた男性が、私が探していた新兵さんだったようだ。

新兵さんに、手元の書類を差し出しながら言った。


リヴァイ兵長からです

ハンジさん、この書類、今日の中央での会議に必要だったと思うのですが・・・


彼は書類を受け取り、それに目を通し、

「確かに、・・・全く、あの人はまたか」

と呟いた。

そして、目の前の女性に、

「悪いが、そういう事だから、君とは食事に行けそうもない」

と言って、私にもう一度視線を戻すと、

「ありがとう。助かった」

そう小声で言ってきた。

それに私は、


いえ、仕事ですから


と返す。


後は、新兵さんに任せておけば良い。

私は帰って、兵長の書類仕事の手伝いをしなければ・・・


そう思い、帰ろうとするが、何故か女性の方に睨まれる。

会話の邪魔をしたかと思い、私は彼女に、


お邪魔しました


とだけ言って、踵を返した。





それからの私は、そうやって、リヴァイ兵長の手伝いを続けながら、忙しい兵長とハンジさんとの間を、その新兵さんとやりとりする事により、繋ぎ、日々を過ごした。

時々、ハンジさんから“大丈夫かい?”と聞かれ、

兵長には、“ぼんやりするな”と度々怒られたりはするけれど、

私の心も、随分と穏やかなものになって来たと、そう思っていた。





そして、本日、いよいよ久しぶりの壁外調査に出る。


身動きの取れない一体の巨人をそのまま放置して、私たちは、目的の海へと辿り着いた。





その海に、懐かしさを覚え、

もっと近くで見たいと、ハンジさんの呼ぶ声に耳をかさず、

そのまま進んだのが悪かった。

急に深くなっている事に気がつかず、

ズルリと足を滑らせて、

次の瞬間、頭まで海に沈んだ。



その海の中で、

赤い色を探している時だった。


次の瞬間引き上げられ、水面へ出て大きく息を吸い込むと、
そのまま足がつく浅瀬へと連れていかれる。


ゴホゴホと咳き込んで、腰まで海の水に浸かって、座り込む私の横で、


彼も片膝を立てて、

下を向いて座り込んで荒い呼吸を整えている。


あ、あの・・・


予想外の人物に助けられて、少し動揺してそう声をかけた。

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名無し - 初めまして。設定が面白そうだなと思い途中まで読ませて頂きました。ただ主人公が話している部分がちょっと分かりづらいところがあるので『』を使った方が分かりやすくなるのではと思いました。 (2021年11月9日 10時) (レス) id: 5e4676d401 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kokubyaku | 作成日時:2020年1月31日 23時

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