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🪶EP.182 ページ17

「3つ目。お前に、マスターの支えになってもらいたい」

静かな室内に弓兵の凛とした声が響く。

それは、ストヘス区での女型の巨人捕獲作戦が2日後に迫った日の事。

弓兵が、こちらに協力をする代わりにと出された条件。

「は?」

意味が分からない。

さっきまで出されていた2つの条件は、主人であるAと弓兵自身を守る為のもので、此方も納得し、了承した。

だが、魂に誓ってほしいとまで念押しされた最後の条件が、今の条件だ。

何より疑問なのが、Aには目の前の男(赤い弓兵)が常についている。

「お前がやれば十分な事を、わざわざ俺にも求める理由は何だ?」

弓兵がいない間、Aを守れというのならば、まだ理解できる。


だが、Aを支えろだと?

・・・守れでなく?


弓兵のその真剣な目と態度に、違和感を覚える。

「・・・どうやら、お前が任務でいない間というだけの事ではなさそうだな」

俺の発言に、目の前の男は軽く笑う。

「・・・ああ、察しが良くて助かるよ。だが、もちろんオレのように常に傍に居て守れという意味ではない」

そんな事はお前の立場や、人間である限り無理だろう事は承知だからな。とヤツは付け足した。

「なぜそんな話になる?」

俺のその言葉に弓兵は、Aが寝ているベッドに腰かけながら言う。

「・・・オレは、以前に女型と戦った際に、いわゆる()にあたる部分に一撃貰っている。

通常攻撃は魔力を帯びていない限りサーヴァントには通らないはずだった。

ましてや霊核に直接なんぞ、無茶苦茶にも程があるが・・・

どうやらこの世界では随分と勝手が違うようだ。

つまり、今後巨人の相手をする中でオレが消える可能性が絶対に無いとは言いきれなくなったという事だ。

・・・まあ、分かった以上、同じことを繰り返すつもりは更々ないが」

だから、これはあくまでも保険だとやつは続けた。

しかし、コイツの発言には矛盾がある。

「待て。お前らは一蓮托生なんだろう?お前が消えれば、Aもお前と共に消えるんじゃねぇのか?」

弓兵は、主人が寝ていることをもう一度確認するかのように、そちらを肩越しに振り返った後、改めてこちらに向き直り話す。

「・・・マスターはそう思っている。なんせ、前の世界ではそうだったからな。その事について、詳しい事を説明する気はないが・・・おそらくは、これも今ままでとは違う」

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名無し - 初めまして。設定が面白そうだなと思い途中まで読ませて頂きました。ただ主人公が話している部分がちょっと分かりづらいところがあるので『』を使った方が分かりやすくなるのではと思いました。 (2021年11月9日 10時) (レス) id: 5e4676d401 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kokubyaku | 作成日時:2020年1月31日 23時

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