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🪶EP.179 ページ14

「・・・アルミンから報告を受けたんだ、Aの様子がおかしいって。・・・君も私について書類仕事ばかりだから、分からなかったのかもしれないけど・・・アーチャーが消えた後のAの様子がおかしかった事には気がついていたんだろ?」

あの時、弓兵が消えたばかりだというのに、Aは落ち着き払っていた。

それは、アイツが高熱で倒れた時の状態を知っている、俺やハンジから言わせれば、明かに不自然な事だったが、その小さな違和感に目を向けてやるほどの心の余裕が俺達にもなく、寧ろ、こちらの指示に対して冷静に動くAに安堵さえしていた。

「大事なものをなくしたのは、なにも彼女だけじゃない・・・だけどやっぱり、アーチャーが消えた事は彼女にとって、とても致命的なことだったんだよ。・・・彼女に、あの時の混乱が見られないから、もしかしたら最悪の事態は避けられたのかもしれないけど・・・」

ハンジの目線が自分の足元に落ちた。

「報告を受けた後に、様子を見るために、彼女には私の手伝いもしてもらってたんだ。確かに、訓練をしろと言えばする。食事もするし、睡眠もきちんと取れてるみたいだ。もちろん、書類仕事も頼めばキッチリやるよ。だけど・・・あれは・・・」

と一度言葉に詰まると、こちらを見返す。

「あれじゃ・・・

─── まるで機械のようじゃないか!」

室内がシンと静まり返った後、

ハンジは、怒鳴ってごめんと謝り、話を続けた。

「・・・私が気をつけてあげたいけど、だけど、どうやら私じゃダメみたいだ・・・」

ハハハと、乾いた笑いを漏らす。

「・・・とにかく、Aには、暫く君の仕事を手伝うように言ってあるから、彼女の様子を見てやってほしい」

そう言い残し、ハンジは執務室を出て行った。





機械のようだと?


どういう事なのか分からないまま、時間は過ぎ、ノックが聞こえてAが入ってくる。


相変わらず、ボンヤリとした顔をしているが、顔色は悪くない。

しかし、この顔は俺の知らない顔だとも思った。

瞳は此方を見ているというより、ただ眼に写していると言った方が近い。

その日は、Aに一先ず書類の整理をまかせる。


仕事に支障はない。

会話も普通に受け答えをする。

その様子に、勘違いかとも思ったが、

数日、様子を伺っていて、違和感に気づく。


Aは言われた仕事をこなし、

聞かれた事に答える。


だが、

ただ、それだけだ。


そこにはなんの感情もない。

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名無し - 初めまして。設定が面白そうだなと思い途中まで読ませて頂きました。ただ主人公が話している部分がちょっと分かりづらいところがあるので『』を使った方が分かりやすくなるのではと思いました。 (2021年11月9日 10時) (レス) id: 5e4676d401 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kokubyaku | 作成日時:2020年1月31日 23時

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