参拾弐 ページ8
2人で走っていると、子供と鬼がいた。子供は鬼に向かって刀を降っている。
「(鬼と子供…子供。刀鍛冶として技術も未熟なはず。助ける優先順位は低い。気配からして、
「(未熟な刀鍛冶のたまご1人助けたところで…)」
《人のためにする事は、巡り巡って自分のためになる》
「!!」
炭治郎の言葉を思い出し、立ち止まる。もしも、もしもそれが正しいのなら…。僕は鞘を抜くと、勢いよく鬼を斬った。
ーーーNosidーーー
小鉄「うぅ…」
倒れる男の子の前に、無一郎は素早く立ち塞がった。その隣にAも立つ。
「逃げろ」
小鉄「あ、あんたは……」
小鉄の放つ言葉を無視して、無一郎は体制を低くし、日輪刀を構えた。
「邪魔になるからさっさと逃げてくれない」
無一郎の目は、険しく鬼に向いていた。小鉄はその威圧に負けたかのように、悲鳴を上げながら逃げて行った。
鬼「ウォー!!…ウォ〜〜!!」
ザンｯｯｯ
無一郎は襲いかかってくる鬼の首を斬った。だが、すぐに再生する。鬼は無一郎とAの方を見ると、またもや悲鳴をあげた。
「(首と思わしき場所を斬っても、身体が崩れず再生……じゃあこっちか…)」
『フン!!!!』
2人で鬼の頭にある壺を斬った。するとどうだ。今度は崩れて倒れたではないか。鬼はそのまま、灰になって消えた。
『壺から力を得ていた…やっぱり血鬼術で作られたもの…』
「そうみたいだね」
2人が話しをしていると、隠れていた小鉄が走りより、無一郎に泣きながらよじ登った。
小鉄「うわあああああああん!!!!ありがとう〜!!死んだと思った!俺、死んだと!!怖かったよ〜!!」
一度離れてまた抱きついた小鉄は自分の胸の内を話した。
小鉄「昆布頭とか言って悪かったよ〜!!ごめんなさい!!」
「昆布頭って僕の事？」
小鉄「ギクッ!!」
しまったと言わんばかりに離れ、泣き出す小鉄。
小鉄「うわああああん!!すみません!!嫌いだったんですぅ〜!!」
「……こんな事してる場合じゃないや。僕たちはもう行くから後は勝手にして。A、行くよ」
『あ、うん!』
小鉄は歩き出すふたりの前で土下座をして、懇願した。
小鉄「待って!!金盛さんも襲われてるんです!!」
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作者名：見習い小説家 | 作成日時：2023年7月15日 11時
