梅雨の終わりに愛を唄う【弐】 (ページ22)

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肆拾陸ページ22

「雨ふり桜治癒に行き
帰る頃には木に戻る」

金盛「！この歌は………桜帰り」

私の歌声が、夜空に響き渡る。

「泣く子も雨に揺られれば
桜帰りに頬あげる」

あぁ。もう…駄目だ。

ーーーその頃ーーー

刀鍛冶「おい、なんだこの桜は…」

刀鍛冶2「!!傷が治っていくぞ!!…どういう事だ!!」

里長「……綺麗な桜だ…一体誰が……」

私の出した桜によって、村人達の傷がどんどん治って行った。
最後には里長の肺をも治った。

『(きっと炭治郎達がまだ闘ってる…どうしよう…もう、動けない……)』

すると、向こうが白くなっている事に気付いた。

霞が晴れて見えたのは、玉壺の首を斬った無一郎。遠くから見えた無一郎の瞳には光が宿っていた。

『無一郎!!記憶がｯ…ゲホッゲホッ!!ヒュー…ヒュー…』

金盛さんはすぐに無一郎のそばに行った。

小鉄「ぁ、ぁ…A、さん…し、死なないで…」

『はー、はー…ふふっ…死なないよ…早く無一郎のところに行ってあげて…私は大丈夫だから……早く』

小鉄「でも…!!」

『ほら、行って』

小鉄くんは泣きながらその場を離れた。

月が綺麗だなぁ……。無一郎との時間…幸せだった。

『……ﾍﾍｯ…なん、だかんだ…幸せ、者だっ、たな…』

目の前が、真っ暗になった……。